2019年04月20日更新
- ミスした部下を責める上司
- 責めることでミスを減らそうとする上司の考え方
- ミスを責めても、それほど効果はない。
- ミスを少なくするようなシステム作り
- どこまでやってもミスはなくならない。
- ミスを責められても、ムダな確認作業を増やしてはいけない。
ミスした部下を責める上司
ミスが発生したときの上司のリアクションは、千差万別です。
大きなミスならともかく、取り上げるまでもないような小さなミスまでも責める上司が時にいます。
そのような上司は感情のままに怒っているか、あるいは、責めることによって部下の注意力が増すことを狙っているか、どちらかだろうと思います。
前者は論外として、後者もかなり厄介な存在です。
責めることでミスを減らそうとする上司は、意識を改革するだけで、ミスは限りなく減らせると思っている。
責めることでミスを減らそうとする上司の考え方
「意識を改革することで、ミスを減らす。」
この考え方に、ある程度は賛成できるが、一定の水準まで達したら、この考えはたちまち通用しなくなると思います。
意識を改革するだけで、99.9%の精度まで達することができると考えているとしたら、それはもはや根性論でしかありません。
根性論(こんじょうろん)とは、苦難に屈しない精神=根性があれば、どんな問題でも解決できる・またはどんな目標にも到達できるとする精神論の一つ。
責めることでミスを減らそうとする上司は、「人はミスをするものだ」という発想が抜け落ちているように思います。
同時に「ミスを少なくするためにはどうしたらよいか」という考えを破棄しています。
ミスの発生原因を部下の根性のみに押し付けて、考える責務を放棄し、楽しようとしています。
ミスを責めても、それほど効果はない。
人の注意力は、その人の生まれもったものも大きく関与していて、一朝一夕で大きく変化するものではありません。
強く部下を責めることで一時的にはミスは減るでしょうが、長い目で見ればそれほど大きな効果は見込めません。
むしろデメリットの方が大きいです。
上司はミスが無いかと部下に目を光らせ、部下はミスして責められるのではないかと委縮します。
お互いストレスがたまり、人間関係は悪化していく一方です。
また、責められた部下は、次は怒られまいとムダな確認作業を増やし、生産性は大きく落ちます。
ミスを少なくするようなシステム作り
それでは、ミスを少なくするための手段は具体的に何があるでしょうか。
ミスが起こったら、まずそれがどういったミスか、またどうして発生したかを分析する必要があります。
分析が終わったら、次のような改善策にとりかかります。
- 確認作業時に使用するチェック項目をつくる。
- マニュアルを作る。すでにマニュアルがあれば、分かりやすいように適宜改訂していく。
- ミスしやすい手順があるならば、その手順を変更する。
- その手順が本当に必要か検討し、必要でないと考えたなら、削除する。
どこまでやってもミスはなくならない。
上のような改善策を取り入れても、一定数ミスは生まれるでしょうが、ある水準まで達したら、それ以上チェックする必要はないと割り切ってしまいましょう。
あとは、実際にミスが見つかったときに対応すればよいだけのことです。
改善策を取り入れた後に、それでもミスがないかと血眼になって探すことは時間のムダです。
ミスを責められても、ムダな確認作業を増やしてはいけない。
ミスを責められると、ついつい確認作業を増やしてしまいがちです。
だが、上司がミスを責めるタイプの人間だからと言って、どこまでもミス探しに付き合う必要はありません。
もちろん、注意力が明らかに欠如していてミスをしているのなら、気を付けて作業にとりかかるような心がけは必要でしょう。
しかし、十分気を付けて作業に取り組み、さらに改善策を取り入れた上で起こったミスなら、それはしかたありません。
あとは、ミスが少なくなるようなシステム作りを淡々と続けていけばよいのです。
上司の目を気にするあまり、ムダな確認作業を増やす、なんてことだけは避けたいです。