2019年05月08日更新
私はよく登山へ行きます。
たまにビギナーの人と一緒に歩くことがあるのですが、彼らは同じようなことを口にします。
それがこのセリフ。
「頂上まであとどのくらい?」
思えば、私も登山を始めた頃は、頂上まであとどのくらいで着くかということばかり気にしていたように思います。
そして「頂上まであと何分だから、がんばろう」という風に自分を励ましていました。
目的地ばかりに気がいくと、その道のりは苦行となる。
目的地を意識しすぎると、次のような思考が次から次へと生まれてきます。
「あと何分我慢したら頂上だ。」
「早く頂上に着きたい。」
「頂上について、休憩したい。」
このような思考が生まれてくると、目的地に至るまでの道のりは苦行にしかなりません。
友人の言葉
大学時代の友人U君とは、今でもよく一緒に登山へ出かけます。
U君は頂上に着いても、それほどテンションは変わりません。
なぜかと聞くと、次のような答えが返ってきました。
「歩いるのが何より楽しい。頂上で見る景色とかは、“おまけ”みたいなもんだな。」
U君は、目的地に至るまでの道のりを何より楽しんでいたのです。
目的地に着くまでの道のりも「エンターテインメント」に変える
登山を始めたころは、頂上に速く着くことばかり考えていました。
そればかり意識すると、身体に無駄な力が入り、余計に疲れが増していたように思います。
しかし、最近では「歩いるのが何より楽しい」という感覚が分かるようになってきました。
一歩一歩地面を踏みしめていく感覚が気持ちいいし、移り変わる景色を眺めながら歩くのも楽しいです。
気持ちの持ち方一つで、目的地に着くまでの道のりも「エンターテインメント」に変わるのだなと気が付きました。
仕事も受験もスポーツも
今回は登山の話を例に出したけど、これは仕事も受験もスポーツでも同じ事が言えるんじゃないかと思います。
私は受験勉強がすごく苦しかったです。
本当に行きたい大学に入れるのかと不安に押しつぶされそうになったことが何度もありました。
同じ大学に入った友人が「受験勉強は知らないことが分かるようになるという感覚が楽しかった」と話しているのを聞いたときは、そういう心の持ち方もあるのかと驚いたのを覚えています。
もちろん、その人も大学合格という大きな目標があったのだけれど、それよりも今、目の前で取り組んでいる勉強をなにより楽しんでいたのです。
「何か手に入れるためには、我慢しなくちゃならない」なんてことはありません。
目的地までの道のりも楽しんでしまえばいい。
登山では、楽しみながら歩くと、身体に無駄な力が入らなくて、結果、速く歩けるようになりました。
過程を楽しもうとすることは、精神的にも余裕が生まれるし、無駄な力が入らなくて、よりよい結果をもたらしてくれるように思います。