2019年05月12日更新
念願の屋久島におりたち、1日目は安房川リバーカヤックを、2日目は白谷雲水峡トレッキングを楽しみました。
その様子はこちら。
屋久島一周をドライブ
最終日3日目は、屋久島一周をドライブしながら観光することにしました。
屋久島の外周は約100km。1日あれば、車で十分回ることができます。
ドライブコースでは、きれいな砂浜やウミガメの赤ちゃん、林道で出会ったヤクザルやヤクシカ、迫力のある滝、そして美味しいジェラートなど、楽しめるスポットがたくさんありました。
なによりきれいな海を見ながら、車を走らせるだけで楽しかったです。
屋久島一周ドライブ概要
<コース>屋久島一周ドライブコース
<とき>2017年8月19日(土)
<メンバー>父、母、私
<天気>晴れ
<行程>
08:30 屋久島グリーンホテル
09:40 志戸子(しとご)ガジュマル園
10:30 永田いなか浜・NPO法人屋久島うみがめ館
11:30 屋久島灯台
11:50 西部林道
12:40 大川の滝
12:50 松竹(手打ちそば屋)
13:40 平内海中温泉
14:10 千尋の滝
14:40 屋久島ジェラートそらうみ
15:10 屋久杉自然館
15:40 屋久島グリーンホテル
※時間は厳密には記録していないので、おおよその時間を表示。
屋久島一周ドライブ詳細
08:30 屋久島グリーンホテル出発。
09:40 志戸子(しとご)ガジュマル園
志戸子ガジュマル園の駐車場に車を停めていると、海で遊ぶ人たちが見えました。
あれが、スタンドアップパドル・サーフィンっていうやつでしょうか。
気になって仕方ない父と母。
志戸子ガジュマル園入り口です。
「ガジュマルは熱帯産のイチジクの仲間で、アコウと同様幹から多数の気根をたれ、それが土着し、やがてはどれが元の幹か気根か区別できないようになる。屋久島が分布の北限である。」
志戸子ガジュマル園|ガジュマルって何だ?
入園料は200円。
お金を払って中に入ろうとすると、受付の女性に呼び止められます。
女性 「団扇いるよ。」
私 「あっ、大丈夫です(そんなに暑くないし大丈夫)。」
女性 「いや、蚊がすごいから。」
私 「じゃあ、一応。」
女性 「虫よけスプレーかけて。蚊がすごいから。」
私 虫よけスプレーをさっとかける。
女性 「それじゃ足りないよ。ほんと蚊がすごいから。」
蚊どんだけすごいんでしょうか。
念入りに虫よけスプレーをかけて、中へ。
幹から多数の気根が垂れている様子は、圧巻です。
この気根の役割は、空気中の養分や水分を吸収するためだとか、支柱の役割を果たすためだとか言われているようです。
沖縄県の伝承で、ガジュマルの古木には精霊キジムナーが宿ると言われており、キジムナーは多くの幸せをもたらすため、ガジュマルは「多幸の樹」と呼ばれています。
一方で、他の植物に巻き付いて絞め殺してしまうこともあり、「絞め殺しの木」と呼ばれることもあるみたいです。
ゆっくり観察したかったのですが、なんせ蚊の数がすごいです。
ようやく団扇を持たされた意味を理解します。手ではらえる数ではありません。
「大ガジュマル」の前で記念撮影する父と私。
この後、蚊から逃れるため、そそくさと志戸子ガジュマル園を後にしました。
永田いなか浜を目指して、しばらく海岸線を走ります。
途中、展望の良いところがあったので、記念撮影をとります。
10:30 永田いなか浜
長さ約1kmに及ぶ海岸で、ウミガメが産卵上陸することでも知られています。
砂浜は真っ白で、海は明るいブルーの色をしています。
なぜか、遠くの岩に登って、はしゃぐ父。
写真と撮れとアピールしてきたので、仕方なく1枚撮りました。
気付いたらテンションが上がって、結局同じことをしていた私。
永田いなか浜の道路を挟んだ向かい側に、「NPO法人屋久島うみがめ館」という施設があったので、覗いてみることにしました。
屋久島うみがめ館
中へ入ると、スタッフの方がレクチャーしてくださることになりました。
「えー、本施設は1985年の調査から…」と沿革の説明から始まったので、まさか2時間くらいかかるのではと少し心配になりましたが、10分程度でポイントを押さえて話してくださったので、とても聞きやすかったです。
施設の中には、たくさんの標本やパネルなどが展示されていて、ウミガメの種類や生態を詳しく学ぶことができます。
オサガメの剥製があったのだが、これがとてつもなくデカくて驚きました。
実際に、ふ化したばかりの子ガメもいて、水槽の中を泳ぐ姿がなんとも可愛らしいです(撮影の許可をいただきました)。
たくさんあるウミガメの標本の中に、タヌキの骨格標本がありました。
聞くと、
- 屋久島にもともとタヌキは生息していなかったが、1990年代ころから生息が確認されるようになった。
- ウミガメの卵がタヌキによって食べられたという事例があった。
- 現在、屋久島には推定1000匹ほどのタヌキが生息。
- DNAの調査によると、現在屋久島に生息しているタヌキは、一組のオスとメスのペアから増殖している。
- 一組のオスとメスのペアは、人によって持ち込まれたのか、泳いで屋久島に渡ってきたのか不明。
屋久島うみがめ館は、寄付とボランティアで成り立っているのですが、お金と人手が十分に集まらないので、その運営はなかなか厳しいようです。
このとき、説明してくれた方も、普段は横浜(だったかな?)で働く会社員で、長期休暇をもらってボランティアとして屋久島に来たと言っていました。
なんとか、この活動が続いてくれるといいなという願いを込めて募金をし、屋久島うみがめ館を後にしました。
11:30 屋久島灯台
屋久島灯台は、永田岬に明治30年につくられました。
台湾の統治・開発のため、航路を整備する必要があり建設されたそうです。
http://www.kaiho.mlit.go.jp/10kanku/toudai/maijitoudai/yakushima.htm
あれがたぶん口永良部島…だと思います。
11:50 西部林道
島の西側を通る県道78号を通称「西部林道」と呼んでいるそうです。
森の中を通るクネクネ道なので通、過するときは注意が必要です。
西部林道に行けば、ヤクザルとヤクシカに必ず会えると聞いていたけど、本当にたくさんいました。
ヤクザルの親子です。
ヤクザルはニホンザルの亜種です。
なんだか本州のサルよりも体毛の色が濃い(黒い)気がするなと思って、帰って調べたら、やはりそういう特徴があるそうです。
こちらはヤクシカ。ニホンジカの亜種です。
なんだか本州のシカよりも脚が短い気がするなと思って、帰って調べたら、やはりそういう特徴があるそうです。
12:40 大川の滝。
屋久島のなかでも最大規模の滝で、落差は約88mです。
滝つぼのすぐ近くまで近づくことができます。
すごい迫力で、水しぶきが体を覆います。
ここで一枚記念撮影をしようということになりました。
周りを見渡すと、滝つぼ近くの木陰で、マイナスイオンをたっぷり浴びて気持ちよさそうに涼んでいるマダムが、すぐそばにいました。
そこで、父が衝撃の一言。
「このおばさんに撮ってもらお。」
腹から出した通る声が、滝つぼに響き渡たります。
マダムの頬が引きつるのを、私は見逃しませんでした。
それでも、マダムは嫌な顔もせず、写真を撮ってくれました。
「どうも。ありがとう!」と颯爽と帰ろうとする父。
「父さん、飛行機に乗るときにデリカシーも預けてきたん?」と言うと、「何のこと?」みたいな顔をされたので、それ以上説明するのは諦めました。
12:50 松竹(手打ちそば屋)
屋久島の民家をお店にしたお店です。
中には、屋久杉で作られた工芸品が並びます。
そばはもちろん、食後に食べたわらびもちが美味しかったです。
13:40 平内海中温泉
海中の岩場に、干潮時の約2時間だけ現れる温泉です。
混浴で、タオルや水着を着ての入浴はダメで、脱衣所もないとのこと(※)。
なんとも、ハードルが高すぎる温泉。
だけど、屋久島には内風呂がない家庭も多く、地元の人も利用しているようです。
勇気がある人は、一度入ってみるのもいいかもしれません。
他の人のサイトを見ると、入るのにはやっぱりハードルが高そう。
平内海中温泉 - 秘境温泉 神秘の湯
14:10 千尋の滝
鯛之川がV字谷に流れ込む滝で、落差は約60m。
滝もすごいけど、花崗岩がV字に削られている様もすごいです。
「また滝じゃねーか。」を背中だけで見事に表現する父。
車で移動していると、オレンジ色の光が上がっていくのが見えました。
一瞬花火かなと思ったが、何か違います。
そこで初めて、種子島の存在を思い出しました。
お隣の種子島にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)があり、この日はたまたま衛星の打ち上げが行われていたのです。
後で調べてみると、「みちびき3号機」(準天頂衛星システム 静止軌道衛星)が、2017年8月19日(土)午後2時29分00秒に打ち上げられたとのことです。
車を停めて「わー、すごーい。」などと騒いでいると、そのうち見えなくなって、写真を撮り忘れていることに気が付きました。
14:40 屋久島ジェラートそらうみ
屋久島でとれる食材を使ったジェラート屋さん。
お店の中には、ハンモックが吊ってあって、それに揺られながら食べるジェラートは最高です。
ホーム - 屋久島ジェラート そらうみ
15:10 屋久杉自然館
屋久杉の長寿生態や、江戸時代以降の伐採の歴史などが学べます。
屋久島町立 屋久杉自然館
こちらは、屋久杉自然館の入り口近くに展示されているトロッコ・ディーゼル機関車。
屋久杉の搬出だけでなく、住民の足としても利用されていたそうです。
縄文杉を見に行くためのトレッキングコースの途中には、トロッコ軌道が今も残っています。
もともと信仰の対象であった屋久杉は伐採されることはなかったようですが、1500年代頃に屋久杉が伐採されはじめ、その後江戸時代には屋久杉が年貢として納められるようになります。
屋久島の人々の屋久杉に対する信仰は厚かったようで、どうやって住民を説得して切らせたのだろうかと思います。
映画「もののけ姫」で、エボシというキャラクターが神殺しを企てるシーンがあるのだけど、その場面をふと思い出しました。
15:40 屋久島グリーンホテル
ようやく、屋久島グリーンホテルに到着!
これで屋久島一周ドライブは終了です。
屋久島空港へ向かい帰途へ。
ホテルで預けていた荷物を受け取り、そのまま屋久島空港へと向かいました。
名残惜しいが、帰りの飛行機へと乗り込みました。
まとめ
何年も行きたいと思っていて、ようやく上陸できた屋久島。
1日目はリバーカヤック、2日目はトレッキング、3日目はドライブと、屋久島を大いに楽しむことができました。
今回の旅で一番印象に残っているのは、白谷雲水峡コースのトレッキングです。
苔むす森や吊り橋、巨大な杉、展望の良い太鼓岩など、見どころが沢山あって全く飽きることがありませんでした。
屋久島はいろんなトレッキングコースがあるので、ぜひまた訪れて色んなコースを歩いてみようと思います。
次は「0 to 0(ゼロ・トゥ・ゼロ)」に挑戦してみたいです。
「0 to 0(ゼロ・トゥ・ゼロ)」は、海抜ゼロメートルから歩き始めて、屋久島最高峰の宮之浦岳に登頂し、反対側まで歩いて再び、海抜ゼロまで降りるというコースです。
雑誌『TRAMPIN' vol.17 2014年4月8日発行』の中で、四角大輔さんが歩いたコースとして紹介されています。
コース上には縄文杉もあるので、そのときこそ、縄文杉をこの目で間近に見たいです。

TRAMPIN'(トランピン) vol.17―Hiking & Backpacking (CHIKYU-MARU MOOK)
- 出版社/メーカー: 地球丸
- 発売日: 2014/03/08
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る
他に、印象に残っているのは「屋久杉の伐採の歴史」です。
もともと信仰の対象であった屋久杉がどういう経緯で伐採され始めたのか、その経緯がとても気になったし、自然との共生というテーマについて考えさせられました。
これから島を訪れたときは、そこに生活している人々の暮らしや歴史についても調べてみようと思います。
※:(参考)編集人 高橋香理, 『るるぶ屋久島 奄美 種子島 ‘17』, 株式会社JTBパブリッシング, 2017年, p.44