2019年05月12日更新
愛媛県に位置する、西日本最高峰の石鎚山。
日本百名山のひとつで、山岳信仰(修験道)の山としても有名です。
石鎚山は山岳信仰がかなり根強く残っていて、山伏の姿を見かけることもあるし、登山道の途中にも、鎖場がいくつか現れます。
山岳信仰という文化に触れることができる山として、すごく面白いです。
この石鎚山、実はもう何度か登ったことがあったのだが、今回知人の方に誘われたので、再び行ってみることにしました。
石鎚山 登山の概要
<登った山>石鎚山
<とき>2017年11月
<天気>晴れ
<行程>
08:00 石鎚登山ロープウェイ山麓下谷駅
08:10 石鎚登山ロープウェイ山頂成就駅
08:30 石鎚神社成就社
08:50 遙拝の鳥居
09:40 試しの鎖
09:50 前社ヶ森小屋
10:10 夜明かし峠
10:20 一の鎖
10:40 二の鎖
11:00 三の鎖
11:20 石鎚神社頂上社
11:50 天狗岳
15:10 石鎚登山ロープウェイ山頂成就駅
17:50 石鎚登山ロープウェイ山麓下谷駅
コース詳細はこちら。
石鎚山 - 西条市ホームページ
観光・登山案内図 | 石鎚登山ロープウェイ株式会社
石鎚山 登山の詳細
川沿いの京屋旅館の駐車場へ車を停めます。
京屋旅館には温泉もあるので、登山帰りによるのもいいかもしれません。
石鎚山温泉 温泉旅館京屋 - 秘境温泉 神秘の湯
石鎚登山ロープウェイ山麓下谷駅に向かう途中に、像がずらりと並んでいました。
一番奥の3体は、石鎚大神(いしづちおおかみ)の御神体だと思われます。
「(左)剣持(つるぎもち)の御神像 ~たくましく~
(荒魂・あらみたま)勇(ゆう)の御神徳を表します。
交通安全を守り、勇気、忍耐をすすめ、悪事を除き、危機を守護されます。
(中)玉持(たまもち)の御神像 ~やさしく~
(和魂・にぎみたま)仁(じん)の御神徳を表します。
家内安全、病気平癒を守護されます。
(右)鏡持(かがみもち)の御神像 ~かしこく~
(奇魂・くしみたま)智(ち)の御神徳を表します。
農業、工業、商業、漁業の繁栄、学業の成就を守護されます。」
御祭神と御神徳 | 石鎚神社
他にも、石鎚山で修行したとされる空海や役行者の像もありました。
08:00 石鎚登山ロープウェイ山麓下谷駅
カラフルなロープウェイです。
定員は50人ほど。大人往復乗車券は1980円です。
標高455mの山麓下谷駅から標高1300mの山頂成就駅までをわずか8分ほどで結びます。
08:10 石鎚登山ロープウェイ山頂成就駅
ロープウェイを降りると、瓶ヶ森が見えました。
石鎚登山ロープウェイ山頂成就駅から、石鎚神社成就社へと向かいます。
ロープフェイを下りると、葉はすっかり紅葉しています。
08:30 石鎚神社成就社
石鎚神社成就社の手前には、このようにお店や旅館が並びます。
食べ物やお土産も売っているので、帰りに立ち寄ってもいいかもしれません。
遙拝殿。
中を覗くと石鎚山の荒々しい頂上部を拝むことができます。
石鎚神社では、石鎚山そのものを御神体として祀っているそうです。
この日は修験者さんが多かったです。
どうやらこの日は、ほら貝を吹き鳴らす競技大会があったようです。
すこし気になったけど、時間がないので先を急ぎます。
石鎚神社成就社を過ぎると、しばらくは緩やかな下り坂です。
八丁坂とよばれ、道幅もかなり広くて歩きやすいです。
木のうねり方すごい。
08:50 遙拝の鳥居
山頂まで行けない人は、ここでお参りをするそうです。
紅葉の奥に、石鎚山の山頂が見えます。
09:40 試しの鎖
石鎚山は修験道の場なので、鎖場(岩場に鎖が設置してある場所)が存在します。
試しの鎖、一の鎖、二の鎖、三の鎖の四か所で、いずれも迂回することができます。
試しの鎖は74mあって、登りと下りの両方があり、険しい岩場となっています。
「試し」という言葉に騙されてはいけません。
なんなら一の鎖よりも長く、下りもあるので難易度は高いと言われています。
迷わず迂回です。
09:50 前社ヶ森小屋
一の鎖を下ったところのすぐ側に、ある前社ヶ森小屋。
青色のトタン板がなんとも癒されます。
中は結構広くて座る場所もかなりあって、「あめゆ」を売ってくれます。
10:10 夜明かし峠
森を抜け、尾根に出ると一気に視界が広がります。
ここが、夜明かし峠です。
昔々、まだ石鎚登山が容易でなかった頃にこの場所で夜が明けるのを待ったため、そう名付けられたということです。
石鎚山 - 西条市ホームページ
振り返ると、瓶ヶ森がくっきりと見えた。
10:20 一の鎖
ここが一の鎖で、長さは33m。
長さもそれほど長くなく、勾配も他の鎖場と比べると少し緩やかです。
ここは挑戦してみることにしました。なんとか登れました。
10:40 二の鎖
二の鎖の手前には、環境配慮型公衆トイレ・休憩所があります。
きれいなトイレで安心して使えます。微生物の働きを利用したトイレだそうです。
ここでしばらく休憩です。
二の鎖を見に行きます。長さは65m。
以前来た時に、二の鎖を登ったのだけど、そのときの恐怖感がすごかったので、もちろん迂回です。
11:00 三の鎖
二の鎖場を越えるとすぐに三の鎖です。
長さは68m。これはもうほぼ垂直。
コンビニでレジに並ぶ感じで、淡々と登っていく人たち。
しかも混んでいます。
三の鎖を抜ければ、頂上は近いです。
11:20 石鎚神社頂上社
ようやく頂上です。
石鎚神社頂上社が設置されています。
頂上からはこの眺めです。
山の稜線がくっきりとキレイに浮かびあがっています。
そして、これが天狗岳。
こちらが本当の西日本最高峰(1982m)です。
あの切れ落ちた尾根をずっと歩いていけば、天狗岳の最高点に辿り着けます。
片道は約10分程度です。
恐る恐る鎖をたどり、岩を越え…
11:50 天狗岳
ようやく天狗岳に到着です。
意外と頂上は混雑していて、写真を撮るチャンスは短かったです。
振り返ると、石鎚神社頂上社が見えます。
まるで、雲の中に浮いているようです。
石鎚神社頂上社に戻り、昼食を取ろうとするが、この混雑でなかなか場所が取れませんでした。
少し空いたスペースで昼食をとり、しばらく休憩します。
帰途に着きます。
途中、前社ヶ森小屋で「冷あめゆ」をいただきました。
適度な甘味が疲れた身体にしみわたります。
15:10 石鎚神社成就社
ようやく、石鎚神社成就社まで戻ってきました。
15:30 石鎚登山ロープウェイ山頂成就駅
石鎚登山ロープウェイ山頂成就駅からみた、瓶ヶ森。
さあ、ロープフェイに乗って帰ろう。温泉が待ってるぞと思って、乗り場へ行ってみると、とてつもない人の数です。
私 「あの、ロープウェイに乗りたいんですけど。」
係員「整理券をどうぞ。」
私 「いや、チケットはもう持ってるんですが。」
係員「すぐには乗れないので、整理券をお配りしています。」
私 「え。どれくらい待つんですか。」
係員「2時間以上だと思います。」
2時間以上!?
ロープウェイを諦めて、標高1300mから標高455mまで歩いて下るか。
私たちは話合うことになりました。
「もう歩きたくないね。」
「そうですね。」
ものの1分ほどで話し合いは終わりました。
日が暮れ初め、次第に寒くなってきたので、持っている服を全て着ることにしました。
ようやくロープウェイに乗れたころには、この暗さになっていました。
まとめ
この日は、特に修験者の方たちが多い日でした。
遠くから聞こえるほら貝の音を聞いていると、何百年も前から同じ風景がここにあったのだなとしみじみ思えました。
天狗岳の切り立った姿は、荒々しくて神々しいです。
山岳信仰が廃れることなく、現代まで脈々と受け継がれてきたことに感動さえします。
7時間ほどの長い行程となる登山だけど、一度は訪れて損がない山だと思います。