2019年05月14日更新
島の山旅 第4弾は「似島(にのしま)」。
1泊2日で宮島を巡ったのですが、その帰りに宮島の隣にある似島という島に立ち寄ってみることにしました。
なお、宮島の旅の様子はこちらです。
似島の概要は次の通りです(似島 - Wikipediaより)。
- 広島港の南、約3kmに位置する。
- 広島市内の島としては最も大きい。
- 人口は1168人、世帯数は662世帯(いずれも2006年4月末現在)。
- 島の北側には安芸小富士(あきのこふじ)と呼ばれる山(標高278m)がある。
- 江戸時代には、荷継ぎの港として栄え「荷の島」と呼ばれていた。これは、広島湾が遠浅で、大きな船舶が岸まで入れなかったためで、一度似島に荷を下ろし、そこからより小さな船で本土へと運んでいたという。(中略)後に「富士山に似た山のある島」から来ているといわれる似島の表記が定着する。
今回は、似島港から、似島の最高峰の安芸小富士(標高278m)を目指します。
安芸小富士の場所はこちらです。
安芸小富士 登山の概要
<登った山>安芸小富士(似島)
<とき>2017年11月12日(日)
<メンバー>単独
<天気>晴れ
<行程>
11:20 似島港
11:25 家下登山口
12:00 安芸小富士山頂
12:35 家下登山口
12:40 似島港
コース詳細はこちらを参照してください。
似島登山情報-似島汽船株式会社
似島までの道のり
広島港から、正面に見えるのが、安芸小富士です。
確かに富士山みたいにきれいな三角形をしています。
思ったより近いです。
広島港から南に約3kmしか離れていない島なので無理もありません。
広島港の第5桟橋へ向かいます。
似島汽船のフェリー「第十こふじ」に乗り込みます。
広島港と似島港を20分で結びます。
いざ出発です。
安芸小富士がどんどん近づいてきます。
見る方向が変わってもきれいな三角形を保つ安芸小富士。
似島港が見えてきました。
安芸小富士 登山の詳細
港を降りて左手に進みます。
しばらくいくと、「安芸小富士登山」の標識が出てきます。
ちなみに、島内にはバスやタクシーなどの交通機関はなく、信号機は一つもありません。
11:25 家下登山口
狭い路地を抜けると、登山口が現れ、登り始めます。
少し登ってきたところで振り返ります。
似島へ行ったあと、この島について詳しく調べてみると、実は戦争と深いつながりのある土地であることが分かりました。
「似島は、明治28年に日清戦争帰還兵が疫病を持ち込まないように陸軍検疫所が設けられてから軍の島となった。
(中略)
米軍の原爆投下時には、1万人を超す被災者が似島に運ばれて治療を受け、そのまま亡くなった人たちの慰霊碑もある。」
発行者:辰野 勇, 『しま山100選 登山で見つける、新しい島の魅力』, 株式会社ネイチュアエンタープライズ, 2017年, p.55.
似島港の反対側には、検疫所の遺構などが数多く残っているとのことです。
また、検疫所跡地には、似島学園が設立されましたが、それは原爆投下により生じた戦災孤児や戦災浮浪児に対する福祉を目的としたものだったそうです。
時間があればそちらも見たかったです。
頂上が近づくにつれ、ザレ場のようになってきます。
先ほど上陸した似島港が見えます。
12:00 安芸小富士山頂
頂上へ到着です。
頂上は少し開けた場所になっています。
小さな島を取り囲むように、カキ筏が浮かべられています。
似島はカキ養殖が盛んな島だそうです。
広島市街地も見渡せます。
頂上でのんびりして、下山開始。
12:35 家下登山口
12:40 似島港
似島港に着きました。
フェリーが来るまで少し時間があったので、港の辺りをうろうろ歩いていると、こんな看板を発見しました。
「菓子伝説の地 似島へようこそ」?
「タウンガイド」を要約すると、こういうことみたいです。
- 似島にある「少年自然の家」は、第一次世界大戦時にはドイツ軍の捕虜収容所だった。
- ドイツ人捕虜の中には、菓子職人がいた。
- 市内の物産陳列館(現在の原爆ドーム)でドイツ人捕虜による展示即売会が開かれたときに、この菓子職人はバウムクーヘンを販売。
- このバウムクーヘンが大変な人気となった。
これが、日本でのバウムクーヘンの始まりなんだそうです。
捕虜がお菓子作って展示即売会で販売し、それが人気になるって、なんとも平和な光景ですね。
戦時中にも、そんなほのぼのとしたエピソードがあったのは意外です。
なお、ドイツ人捕虜からサッカーも伝わり、似島中学校は1970年の第1回全国中学校サッカー大会で準優勝するほどの強豪校だったみたいです。
広島がサッカー王国となったのも、この島と深い関係があるそうです。
捕虜の人と、地元の人は結構交流があったんですね。
人と猫が絶妙な距離感を保っています。
そして、フェリーに乗り込みました。
まとめ
今回の島は、厳島の帰りに少し行こうという軽い気持ちで来てしまいました。
だけど、実際、安芸小富士に登ってみると、登山道は整備されているし、頂上からの展望もよかっです。
なにより、戦争と深いつながりのある場所で、その面影が数多く残っている、とても興味深い島でした。
もう少しゆっくり回ればよかったと後悔しているところです。