2019年05月19日更新
島の山旅 第7弾は「伊豆大島(いずおおしま)」です。
伊豆大島は東京から約120km、伊豆半島からは約25kmという位置にある島です。
伊豆諸島は全部で100余りあるのですが、その中で最大の島です。
伊豆大島の概要は次の通り(伊豆大島ってどんなところ? | 大島観光協会より)。
- 現在の人口は8,024人(2016年11月末)
- 大島は海底からそびえる活火山(伊豆大島火山)の陸上部分で、標高758mの三原山は山頂のカルデラ内にできた中央火口丘にあたります。
- 2007年に日本の地質百選に選定され、さらに2010年には関東ではじめての日本ジオパークに認定されています。
- 椿油や高級炭材で知られる椿や、「あんこ椿は恋の花」で知られる「あんこ姿」は島のシンボルにもなっています。
島全体が活火山の伊豆大島。
伊豆大島の最高峰は、三原新山(標高764m)です。
三原山には火山活動の跡がいたるところに残っているそうです。
地球の活動を見てみたいと思い、三原山を目指しました。
そして、今回は海から出発し三原山を越え、反対側の海まで出ることにしました。
20kmほどの島横断の旅です。
三原山までの道のり。
東京・竹芝客船ターミナルから東京汽船のフェリーに乗りこみます。
22:00に出発して、翌朝06:00に伊豆大島に着く予定です。
夜中に船に乗り込むのは初めてだったので、わくわくします。
海から眺める東京の夜景は何ともきれいです。
レインボーブリッジの下を通過します。
泊まった客室はこんな感じの2段ベッドです。
室内はあたたかくて、毛布一枚でも十分眠れます。
寝床にはカーペットがひいてあるのですが、少し硬そうだったので、登山用マットレスを持ち込んで敷いてみたら快適でした。
船に揺られながら知らぬ間に眠りに落ちました。
06:00に岡田港に到着しました。
フェリーの到着にあわせて、元町港行きのバスが出ているので、それに乗りました。
三原山 登山の概要
場所はこちらです。
<登った山>三原山(伊豆大島)
<とき>2018年01月
<メンバー>単独
<天気>晴れ
<ルート>
元町港→御神火スカイライン→三原山頂口→三原神社→火口展望場→剣ヶ峰→櫛形山→テキサスハイキングコース→大島椿資料館→行者浜
<距離>22km
<行程>
06:50 元町港
08:50 三原山頂口
09:50 三原神社
10:00 火口展望場
10:30 剣ヶ峰
11:50 櫛形山
13:30 大島椿資料館
14:10 行者浜
コース詳細はこちらの資料を参照しました。
こちらもどうぞ。
https://oshima-navi.com/geopark/mihara_trek.html
三原山 登山の詳細
06:50 元町港
元町港を出発しました。
島ってどこも道が狭いことが多いけど、伊豆大島の道は意外と広いです。
三原山頂口までは、ずっと舗装路が続きます。
この日はすごく寒かったです。
外で寒そうに丸くなっていたネコ。手を出すと、猫パンチをくらいました。
生意気だけどかわいいやつです。
御神火スカイラインを登っていきます。
道路の脇には、写真の通り土嚢のようなものが並べられています。
道路は最近作られたようで、すごくきれいです。
じつは、この御神火スカイラインは2013年10月の台風26号の被害により、一度消失しています。
この台風は、「10年に1度」と言われる巨大台風で、三原山の中腹で幅1km近くにわたり崩落し、土砂流が河口部まで流れ込むほど大きな被害をもたらしました。
その後、2016年にようやく復旧しました。
道路沿いの木の上をピョンピョン跳ねる動物がいました。
しばらくじっと見ていると、目があいました。
リスです。
実はこのリスは、タイワンリスと呼ばれる種で、その名の通り、元々日本に生息していませんでした。
1930年代、地元の動物園から逃げ出し島内で大繁殖し、その数は今や数万匹とも言われていて、農産物に大きな被害をもたらしているそうです。
道を歩いていると、しょっちゅう、このタイワンリスを目にします。
08:50 三原山頂口
三原山頂口に到着です。
広い駐車場になっているので、ここから歩き始めてもいいかもしれません。
駐車場を抜けると、三原山が急に目の前に現れます。
ここが東京都と考えるとすごいです。
馬が飼育されています。
この馬は「与那国馬」と呼ばれる日本在来の馬。
日本最西端・与那国島からはるばるやってきたそうです。
この馬に乗って三原山をぐるりと回れるそうです。
親子連れが歩いています。
路面が凍っていて、ところどころ大きな氷がはっていました。
足で氷を割る感触がとても懐かしいです。
しばらくは舗装路がつづきます。
三原山の噴火に備えたシェルターです。
シェルターは結構いろんなところにあります。
近年だと、三原山は、1986年に中規模以上の噴火が起こりました。
溶岩が冷えて固まった岩です。
真っ黒な岩が一面に広がる広場で遊ぶ親子。
溶岩が流れた跡にうっすらと草が生えています。
09:50 三原神社
三原神社の鳥居です。
鳥居の奥に、うっすらと富士山が見えます。
この三原神社について、不思議は話がある。
「1986年の噴火で火口から流れ出した溶岩は、この三原神社を避けるかのように、左右に分れて流れました。溶岩と建物の間の距離はわずか2~30センチ。溶岩流から三原神社は守られました。」
三原山神社 - 伊豆大島ジオパーク・データミュージアム
ゴジラ岩と呼ばれるものです。
1984年公開の映画「ゴジラ」では、この伊豆大島の三原山火口にゴジラを落としてエンディングとなるのですが、映画公開の2年後、1986年に三原山が噴火。
そのとき流れ出た溶岩で、このゴジラ岩が出来上がったという不思議な話です。
道の両脇にあるのは、「アグルチネート」。
アグルチネートは、噴火の時に噴き上げられた溶岩のしぶきなどが落ちて、積み重なってできたもので、高さは5メートルもあります。
蒸気がところどころ上がっています。
ここが活火山であることを思い出します。
10:00 火口展望場
大きな火口がみえてきます。
直径約300~350メートル、深さ約200メートルにもなります。
1974年の小噴火以前には、底にマグマが見えることもあったそうです。
櫛形山方面には、平地が広がっています。
10:30 剣ヶ峰
剣ヶ峰周辺から見た火孔です。
1986年の噴火の時には、なんとこの火孔の中が溶岩で一杯になったそうです。
ここからは富士山がきれいに見えました。
一面、真っ黒なこの場所は「裏砂漠」です。
国土地理院が発行する地図に「砂漠」と表記されているのは、唯一ここだけです。
地表は小さな黒い火山岩で覆われています。
「裏砂漠」は国土地理院が発行する地図に唯一「砂漠」と表記された場所です。伊豆大島の象徴ともいえる三原山の度重なる噴火によって降り注いだマグマのしぶきが大地を焼き、植物を燃やし、一面黒い世界を作り上げています。噴火後も風が強く吹きぬける場所であるため、植物が定着しにくく、いわゆる“砂漠”的な光景がひろがっています。
https://oshima-navi.com/urasabaku/
別の惑星にきた感じがします。
11:50 櫛形山
櫛形山の頂上です。
この辺りは、周りに遮るものがなくて特に風が強かったです。
テキサスハイキングコースにでました。
たしかにテキサスの荒野っぽい道です。
山のふもとまでくると、地表に土が現れ、森が出現しました。
13:30 大島椿資料館
大島椿資料館に着きました。
ゴールの浜辺までもう少しです。
14:10 行者浜
行者浜につきました。
ようやくゴール!
20km以上歩いたのでヘロヘロです。
しばらく浜に座ってぼーっと海を眺めました。
登山後は「海のふるさと村」で宿泊。
「為朝の館跡」
レンタカーに寄ったら、近くにこんな赤い門がありました。
「為朝の館跡」と書かれています。
源為朝とは誰ぞやと思って調べたら、源頼朝、義経兄弟の叔父にあたる人物のようです。
身長2mを超える巨体のうえ気性が荒く、また剛弓の使い手で、剛勇無双を謳われた。生まれつき乱暴者で父の為義に持てあまされ、九州に追放されたが手下を集めて暴れまわり、一帯を制覇して鎮西八郎を名乗る。保元の乱では父とともに崇徳上皇方に参加し、強弓と特製の太矢で大奮戦するが敗れ、伊豆大島へ流される。しかしそこでも国司に従わず、大暴れして伊豆諸島を事実上支配したので、追討を受け自害した。」
源為朝 - Wikipedia
伊豆島は古くから流刑地とされ、歴史上多くの重要人物が伊豆大島に配流されてきました。
「海のふるさと村」
夜は「海のふるさと村」に泊まりました。
https://oshima-navi.com/senzu/umifuru.html
テントにしようかと思いましたが、セントラルロッジが一泊2000円とすごく安かったので、そちらにしました。
荷物も減るせますし。
2段ベッドがある部屋で、1室定員6名とあったので、相部屋になるのかと考えながら行ったら、なんと一部屋を一人で使わせていただけることになりました。
2段ベッドが並んだ部屋を一人で使うのは変な感じがします。
なんだか、ずっと2段ベッドで寝ている気がします。
「海鮮茶屋 寿し光」
晩ごはんは「海鮮茶屋 寿し光」。
地元の新鮮な魚やその他の食材が楽しめるお店です。
大島物産|伊豆大島 海鮮茶屋 寿し光・手づくりの店 和歌 Video Rental ai2
まず頼んだのが、お寿司です。
手前の黄色っぽい寿司が、べっこう寿司です。
べっこうは、伊豆諸島の郷土料理で、魚の切り身をとうがらし醤油につけこんだもの。
元々は保存食として、作られていたそうです。
こちらが、とうがらし醤油。
ぴりっとした辛みがなんともクセになる醤油です。
そして、「明日葉の天ぷら」。
明日葉は伊豆大島の特産です。
明日葉は伊豆諸島原産のセリ科の多年草植物で、独特な苦みがあります。
生命力が強く、今日摘んでも明日にはもう芽がでてくることから「明日葉」と名付けられたとも言われています。
サクサクした食感でおいしいです。
でも一人で食べる量じゃなかったです。
伊豆大島の2日目は、「泉津海岸線歩道歩き」と観光スポット巡りです。