2019年05月25日更新
島の山旅 第8弾は「友ヶ島(ともがしま)」。
友ヶ島は、和歌山市の沖合に浮かぶ4つの無人島の総称です。
旧陸軍の要塞の拠点として使用されていましたが、現在も、島内には軍の遺構が数多く残っています。
「和歌山市北西加太沖に浮かぶ無人島群、瀬戸内海国立公園の紀淡海峡に浮かぶ沖ノ島(おきのしま)・地ノ島(じのしま)・虎島(とらじま)・神島(かみじま)、この4島を総称して友ヶ島と呼んでいます。
(中略)
また、友ヶ島は、明治時代から終戦まで大阪湾を防衛する由良要塞の拠点のひとつとして旧陸軍により使用されていました。戦争が終わった後、砲台は取り壊され大砲は処分されましたが、島には今も砲台跡や弾薬庫跡などがあります。」
和歌山市観光課パンフレットより
その廃墟の様子が、ジブリ映画「ラピュタ」の世界観と似ているということで、SNSなどで話題となり、多くの人がこの島を訪れています。
ラピュタって、小さいときに何度か観たことあるけど、あまりよく覚えていません。
三つ編みしたおばあさん海賊が、めちゃくちゃデカい肉食って、虫みたいな乗り物を乗り回す映像しか出てきません。
うろ覚えのまま、とりあえず沖ノ島の最高地点コウノ巣山(標高:119m)を目指すことにしました。
友ヶ島までの道のり。
このときは前日入りでした。
夜に、南海加太駅に到着です。
駅から歩いて10分ほどのところにある「民宿 大津屋」。
今夜はここに泊まります。
和歌山加太の民宿 大津屋
ここは、料理がとりあえずすごいのです。
魚料理をお腹いっぱい食べられます。アジの刺身、アナゴ鍋などなど。
ああ美味しかったと部屋に戻ったとき、あることに気がつきました。
「明日の昼ご飯買うの忘れてた。」
友ヶ島には売店がありません。
コンビニでも行くかと思って民宿のご主人に声をかけます。
私 「このあたりにコンビニってありますか。」
主人「ああ、あるけど。歩いたら40分くらいかな。」
私 「え。(往復で1時間20分ってことか…)」申し訳ないのですが、おにぎりとかでも結構ですので、簡単なお弁当を作っていただくことできないでしょうか。」
主人「そういうのはやってなくてね、すまないね。なんだったら買いに行ってあげるよ。」
私 「いいんですか。ありがとうございます。じゃあお願いしてもいいですか。」
主人は原付で買いに行ってくださると言うので、欲しいものを伝えました。
わざわざ買いものまで行ってくださって、本当に親切なご夫婦でした。
08:30に民宿を出発です。
寝ているとき、波の音がすごく近くに聞こえるなと思っていたら、民宿のすぐ前は「加太海水浴場」という場所でした。
昭和にタイムスリップしたかのような町の通りを抜けます。
「金鳥」の看板を観たのは久しぶりです。まだ残ってるんですね。
加太港の乗り場に到着しました。
友ヶ島汽船のともがしま号で友ヶ島に向かいます。
所要時間は約20分。
地層が斜めに走っています。
野奈浦桟橋(のなうらさんばし)に到着。
この桟橋は、友ヶ島のひとつ沖ノ島(おきのしま)にあります。
沖ノ島は、友ヶ島の4つの島の中で最も大きい島です。
「コウノ巣山」トレッキング概要
場所はこちら。
<登った山>コウノ巣山(友ヶ島)
<とき>2018年01月
<メンバー>単独
<天気>晴れ
<ルート>野奈浦桟橋→海の家→第2砲台跡→友ヶ島灯台→子午線広場→第1砲台跡→池尻キャンプ場→孝助松海岸→旧海軍聴音所跡→第5砲台跡→小展望台→コウノ巣山展望台→第3砲台跡→南垂水キャンプ場→深蛇池→虎島→野奈浦桟橋
<距離>18km
<行程>
09:30 野奈浦桟橋
09:40 海の家
09:55 第2砲台跡
10:15 友ヶ島灯台
10:20 子午線広場
10:25 第1砲台跡
10:35 池尻キャンプ場
10:40 孝助松海岸
11:00 旧海軍聴音所跡
11:20 第5砲台跡
11:40 小展望台
11:50 コウノ巣山展望台
12:00 第3砲台跡
13:20 南垂水キャンプ場
14:10 深蛇池
14:40 虎島
15:30 野奈浦桟橋
コース詳細はこちらの資料を参照しました。
こちらもどうぞ。
和歌山市観光協会 公式HP|和歌山の自然・景観 友ヶ島
「コウノ巣山」トレッキング概要
09:30 野奈浦桟橋
桟橋から反時計周りに歩きはじめます。
無人島の遊歩道のわりに、道幅がかなり広いです。
これは軍用道路として使うため、幅広くつくられたようです。
09:40 海の家
宿泊施設「海の家」。
広い庭でバーベキューやったら気持ちよさそうです。
島の淵に道が作られています。右側は崖になっています。
旅館がありました。
今もやってるのでしょうか。
いややってないですね…(旅館の横にあった自動販売機)。
09:55 第2砲台跡
第2砲台跡。
砲台とは、大砲設置するための台のことです。
外国船が、和歌山と淡路島の間の海峡に侵入した際に、砲撃することを目的に造られたのだそうです。
友ヶ島の6か所の砲台のうち、第1~第5砲台までがここ、沖ノ島にあり、第1・2・5砲台は島の西端に設けられ、海峡にさしかかった船舶を待ち伏せ・真横から砲撃することを目的とし、また、第3・4砲台は視界を持つ山頂付近にあり、長時間の砲撃が可能になっていました。
看板より
淡路島の由良地区がすぐ先に見えます。
砲台は設置されたものの、第2次世界大戦終了まで使用されることはなかったそうです。
この第2砲台は、終戦時に使用を禁ずる目的で爆破されました。
上から見ると、手前の砲台が丸い形を保っているのがよく分かります。
あの円形の台の中央に大砲が設置されていました。
道は狭くなり、完全にトレッキングコースです。
10:15 友ヶ島灯台
明治5年(1872年)、日本で8番目にできた洋風建築の灯台で、今も活躍しています。
150年近く働いてるってことですね。
10:20 子午線広場
日本標準時子午線が通る場所です。
日本では、ここが日本標準時子午線が通る最南端の地です。
10:25 第1砲台跡
第1砲台跡。
10:35 池尻キャンプ場
蛇ヶ池(じゃがいけ)近くにある池尻キャンプ場。
10:40 孝助松海岸(こうすけまつかいがん)
11:00 旧海軍聴音所跡
大阪湾に進入してくる潜水艦のスクリュー音を24時間体制で警戒し、もし侵入してきた場合は機雷で迎撃するための施設です。
旧海軍聴音所跡|和歌山市
友ヶ島に残る遺構は旧陸軍のものがほとんどですが、この旧海軍聴音所跡は海軍によって造られた施設です。
どのようにしてスクリュー音を聞いていたのでしょうか。
半地下になっていて、中は薄暗いです。
レンガはところどころ崩れおちています。
第5砲台跡に向かいます。
照葉樹林に囲まれてハイキング道は快適です
森と海に囲まれた友ヶ島は生物も多く、自然の宝庫となっています。
11:20 第5砲台跡
第5砲台跡は、全体として砲台の原型をよく留めています。
弾薬支庫。
砲座(大砲の設置場所)。
つぶれた鍋です。
もしかして陸軍が残していったやつかもしれませんね。
11:40 小展望台
11:50 コウノ巣山展望台
沖ノ島の最高地点コウノ巣山(標高:119m)です。
頂上は、ベンチがあって展望のよい広場になっています。
さっきいた灯台が中央に見えます。
次回は、ラピュタっぽい場所が続々現れます。
~その②~へ続く。