2019年05月25日更新
島の山旅 第9弾は「沼島(ぬしま)」。
沼島は、国生み伝説が残る不思議な島です。
日本書記には、神々が最初に生み出した島「おのころ島」について記載されているのですが、その島がこの沼島ではないかというわけ。
淡路島の隣に浮かぶ、この小さな島にどのような伝説が残っているのか、一度見てみようと思い沼島へ向かった。
周囲は9.5kmで、1周4時間ほどで歩けるコースがあり、最高峰は石仏山(いしぼとけやま)。
さっそくこの1周コースを歩いてみることにした。
沼島までの道のり。
淡路島・土生港の乗り場に到着です。
沼島汽船で沼島へと向かいます。
所要時間はわずか10分。
沼島港に到着しました。
「石仏山」トレッキング概要
場所はこちら。
<登った山>石仏山(沼島)
<とき>2018年02月11日(日)
<メンバー>単独
<天気>晴れ
<ルート>沼島港→沼島灯台→山ノ大神社→上立神岩→古水ノ浜→おのころ神社→梶原五輪塔→沼島庭園→沼島八幡神社→神宮寺→観光案内所→沼島港
<距離>13km
<行程>
07:15 沼島港
08:20 沼島灯台
08:30 山ノ大神社
09:10 上立神岩
10:10 古水ノ浜
11:00 おのころ神社
11:20 梶原五輪塔
11:30 沼島庭園
12:30 沼島八幡神社
12:40 神宮寺
13:10 観光案内所
13:20 沼島港
コース詳細はこちらの資料を参照しました。
http://nushima-yoshijin.jp/nushima/wp-content/themes/nushima/see-know/img/pamphlet.pdf
こちらもどうぞ。
http://www.nijinet.or.jp/Portals/0/pdf/yama100/sheet/021.pdf
「石仏山」トレッキング概要
07:15 沼島港
港はきれいに整備されています。
沼島の案内図です。
現在地から左周りで島を1周します。
これは、手押し車です。
沼島の生活必需品で、漁具や魚、生活用品の運搬には欠かせないものです。
実はこの沼島には近畿自然歩道の一部が設けられています。
森林の中の道は、人が森林を利用しなくなるとともに荒れていき、倒れたマツやツルにより人も歩けない状態でしたが、現在では、近畿自然歩道≪岩礁の島 沼島をめぐるみち≫にも指定され海釣客や森林散策などに利用されています。
兵庫県洲本農林水産事務所 看板より
しばらくはアスファルトの道が続きます。
アスファルトの上にうっすら枯葉が積もっています。
ベンチがぽつんとあります。
シュールだけど、なんかこの風景は好きです。
淡路島がすぐ近くに見えます。
島内には、このような石仏が点在しています。
実はこれ、ミニ八十八ヵ所。
明治時代、戦争や伝染病で多くの人が亡くなったため、その慰霊のために島内に八十八ヵ所が置かれました。
小さな島なので、隣同士がこんなにも近いです。
この沼島灯台は実は悲しい歴史を持っています。
沼島灯台は、「南海丸遭難事故」を契機に、昭和36年に点灯しました。
南海丸遭難事故
昭和33年1月26日の17時ごろ、徳島地方気象台は強風注意報を出したが、南海汽船所属の旅客船「南海丸」は、17時30分頃に和歌山港へ向け小松島を出港した。
同日18時28分ごろに無線電話で危険を知らせる連絡を最期に消息を絶った。当時、南海丸がいた沼島付近は平均風速17ないし20メートル、平均波高4ないし5メートルの悪天候であった。直ちに僚船や海上保安庁の巡視船らによる救助体制がとられた。翌々日の1月28日の16時ごろに沼島の南西2.4海里の水深約40メートルに沈没している船体が発見され、その後船体は引き上げられたが、旅客139名乗組員28名の167人全員が死亡もしくは行方不明となる大惨事になった。
沼島観光マップより(作成者不明)
08:30 山ノ大神社
しばらく歩くと、ふいに黄色の鳥居が目に飛び込んできました。
みると奥までずらーっと並んでいます。
これは山ノ大神社(通称:山の神さん)の鳥居とのことです。
この神社の祭神は「鉄王稲荷大明神」で、豊漁と航海安全の神で鉄王でもあるそうです。
この神様は海のかなたからやってきた渡来神とも伝えられています。
沼島を含めた淡路島では、「海人族」と呼ばれる人たちが金属器による先端文化をもたらしたことが知られています。
もしかするとこの「海人族」と何かゆかりがあるのでは?と考えてしまいました。
詳しいことはこちらを参考に。
09:10 上立神岩
上立神岩は波打ち際まで降りて、間近に観ることができます。
上立神岩
高さ約30mを誇る巨石。
その形状から、国生み神話にある天の沼矛のモデルとも、天の御柱のモデルともいわれる。最近では中心にある❤マークが有名で、恋愛成就のパワースポットとして訪れる人が増えている。
あわじ環境未来島構想推進事業・ふるさと自立計画推進モデル事業・国生みツーリズム実行委員会 作成パンフレットより
たしかに真ん中に❤マークがあります。
この島では、岩礁のことを「バエ」と呼ぶそうです。
分かりにくいですが、左下にある平たい岩礁が「平バエ」です。
3月の「龍宮祭り」では、この平バエで祭事が行われます。
右側の岩場に目をやると…
釣り人!
すごい場所で釣りしてます。
そもそもどうやってあそこにたどりついたのでしょうか。
気持ちのよい歩道を進みます。
振り返れば、上立神岩が。
海が青いです。
10:10 古水ノ浜
古水ノ浜に着きました。
沼島最大の砂浜です。
眺めは良いのですが、いかんせんゴミが多かったです。
中には、はるばる外国から流れ着いたものもありました。
昔はキャンプ地として親しまれていたそうですが、今は訪れる人も少ないとのことです。
道すがら、立派なお地蔵様に出会いました。
この「波切地蔵」は、さきほどの「南海丸遭難事故」の慰霊のため建てられたものです。
ようやく沼島港周辺の集落まで戻ってきました。
次回は、国生み伝説の伝わる神社など沼島の歴史に迫っていきます。