「本の内容について聞かれたけど、うまく説明できなかった。」
「本はたくさん読んでいるけど、どの本に何が書かれていたか思い出せない。」
みなさんは、こんな経験ありませんか?
私は本が好きで、よく読みます。
初対面の人などに「趣味は読書です。」と言うと、たいていの場合は、「おすすめの本ありますか?」と質問されます。
そのときに、本の内容をあまり思い出すことができなくて、もどかしい思いをするということがこれまで何度もありました。
そして、そのような経験を繰り返すうちに、空しさを感じ始めていました。
たくさん本を読んでいても、内容をうまく思い出せないということは、自分のものになっていないということを証明しているようなものだと感じたからです。
本が目の前を通過しているだけ、という感覚です。
自分なりに咀嚼して、自分の身体の中に取り込んでいくにはどうしたらよいか。
そう考えて始めたのが「読書ノート」です。
実際、読書ノートを書きはじめてから、学びの定着度はかなり上がったと思います。
それは、読書ノートが復習する機会を増やしてくれるからです。
もし多くの本に触れる機会があるのでしたら、読書ノートを使って、より学びを定着させていきませんか?
目次
それでは、実際の読書ノートの作り方を紹介していきたいと思います。
「読書ノート」を書くステップ
読書ノートを書くステップは次の3つだけです。
ステップ1:自分が重要と思った箇所を、付箋やペンでマークする。
ステップ2:マークした箇所を、読書ノートに書き写す。
ステップ3:自分の意見を書き込んでいく。
ステップ3については、下記の「重要と思った箇所&意見・感想」の項で詳しく説明していきます。
「読書ノート」のテンプレート
読書ノートを作成するにあたって、まず項目を決めなければいけません。
項目を決めるには、読書ノートを作成する目的をはっきりさせることです。
ブログで引用する、学校のレポートを書くときに使う、本を整理したいときに見返す、など。
使用する場面が具体的に思い浮かべることができれば、おのずと読書ノートに記載していく項目は決まっていきます。
ちなみに、私が読書ノートを書く目的は、主にブログで引用するためです。
「自分にとって重要な情報」と「自分の考えやアイデア」がしっかり残っていれば、残りの情報は必要ありません。
それでは、私が実際に使用しているテンプレートを紹介していきます。
構成は、「目次」と「読書記録」の2つです。
なぜ、目次を作るのかというと、検索性を少しでも上げるためです。
せっかく読書ノートを書いたのに、どこに書いてあるか見つけ出せなかったら意味がありません。
目次を作ることによって、探している読書記録にすぐにたどり着けるようにしておきます。
目次のつくり方
ノートの最初の数ページは、目次として使用します。
下の項目について、ノートに書いていきます。
No.
読み終わった日
題名
著者名
読書記録のつくり方
目次ができたら、次は、実際に本の情報を書き写していきます。
下の項目について、ノートに書いていきます。
No.
読み終わった日
題名
著者名
出版社名
評価
本の要点
重要と思った箇所&意見・感想
調べたいこと
次に読みたい本
これは、あくまで例なので、自分の使いやすいように項目を減らしたり、増やしたりしていきましょう。
項目を増やす際は、むやみに増やさないように注意しましょう。
後でネット検索して調べられるものは、わざわざ書く必要はありません。
項目を増やし過ぎて、書くのが億劫になり、読書ノートが続かなくなるというのが一番避けたい事態です。
なるべく簡単にして、必要最低限のことだけ書き残すようにしましょう。
主な項目について、解説していきます。
「評価」
本を評価する基準を決めておきます。
「もう一度読みたい度」や「手元に置いておきたい度」、「人にすすめたい度」など、何でもかまいません。
私の場合は、「手元に置いておきたい度」を5段階で評価しています。
基準はなんでもいいのですが、本によって基準を変えるのはやめましょう。
見かえしたときに何の評価か分からなくなってしまうからです。
複数の基準で評価したいときは、下記のように評価を分けるのがよいでしょう。
もう一度読みたい度:★★★☆☆
手元に置いておきたい度:★★★★☆
人にすすめたい度:★★★★★
「本の要点」
これは、何について書かれた本かを簡単に書く項目です。
題名だけだとどんな本か思い出せそうにないときに書いています。
Amazonなどの短い紹介文があるときは、それを使ったりしています。
「重要と思った箇所&意見・感想」
本の中で重要だと感じた箇所を、この項目に書いていきます。
むやみに書き写すのではなく、本当に重要だと思うエッセンスの部分だけにしましょう。
そして、文章に対して意見や感想がある場合は、書き写した文章のすぐ下に、自分の意見を書きこんでいきます。
書籍「[完全版]読書は一冊のノートにまとめなさい。」の中で、「ねぎま式読書ノート」という方法が紹介されていて、それを参考にしています。
本一冊に対してではなく、各段落や文章に対して、意見を残していくというイメージです。
また、書き写した文章1つ1つに意見を書いていく必要はなく、意見が発生したときのみ書きこんでいけば十分です。
注意しなければいけないのは、本を書き写したところと、自分の意見が混ざらないようにすることです。
上図のように、本を書き写した箇所は、ページを記入し、「 」で囲みます。
そして、自分の意見は、矢印を使ったり、線で囲むなどしたりして、自分の意見とすぐに分かるようにします。
「調べたいこと」
本を読んでいると、初めて知ることはたくさんあると思います。
さらに調べたいものがあるときは、この項目に書きこんでいきます。
調べたいことがなければ、省略しても大丈夫です。
「次に読みたい本」
本の中では、多くの本や文献が引用されています。
また、おすすめの本が紹介されている場合があります。
次に読みたい本があった場合は、この項目に書いていきます。
「読書ノート」を書くことのメリット
読書ノートを書くメリットは2つです。
1つ目は、復習の効果が高いことです。
まず、付箋やマーカーで印をつけながら意識して文章を読むことで、能動的な読書に変わり、それだけで記憶に残りやすくなったと感じます。
また、読書ノートをつくるときに、重要な箇所を読み返すので、理解がよく深くなります。
さらに、本自体を読み返さなくても、読書ノートをパラパラとめくって見返すだけで本のエッセンスをつかむことができるので、簡単に復習ができます。
2つ目は、本を手放すのが容易になることです。
本に書かれている情報が必要になるかもと思って、今までは、本をなかなか捨てることができませんでした。
しかし、読書ノートを作ってからは、割とすんなり手放せるようになりました。
本のエッセンスは手元に残っているし、どうしてももう一度読みたいときは、再度入手すればいいと思えるようになったのです。
適しているのはデジタル?アナログ?
読書ノートをつくる場合、アナログ(紙ノート)か、デジタル(パソコンやスマートフォンへの入力)のどちらを使うか選ぶ必要があります。
私は、読書ノートとして、紙のノートを使っています。
理由は、自由度の高さです。
自由に、図を書いたり、文字サイズを変えたりすることができるので、気持ちの赴くままに記述できます。
他にも、パソコンでメモするよりも手書きでメモする方が長く記憶できるという研究報告もあり、それも紙のノートを使用する理由の1つです。
「パソコンでメモ」より「手書きでメモ」のほうが長く記憶できる:研究結果 | ライフハッカー[日本版]
あとは、書いた後にペラペラとめくって、ああこんな本も読んだなあと見返す作業が単純に好きだというのもあります。
一方、デジタルの強みとしては、「検索性」の高さが挙げられます。
検索すれば、一瞬で見つけたい文章を探し当てることができるのは、大きな魅力です。
どちらにも長所と短所があるので、自分のスタイルにあったものを選択するのがいいでしょう。
ちなみに、私が今読書ノートとして使用しているのは、日本ノート株式会社(元:アピカ株式会社)が販売している「Premium C.D. NOTEBOOK」です。
文字を書くときのストレスが格段に少なくて、満足しています。
まとめ
今回は、読書ノートの書き方を紹介させていただきました。
実際のテンプレートを提示しましたが、自分に必要なものがあったら取り入れてみてください。
読書ノートを書くときのポイントは、「時間をかけないこと」です。
最初は、要点もしっかり書いていたし、書き写す量もかなり多かったのですが、続けていくうちに億劫になっていくのです。
今では、なるべく簡潔に書くようにして、時間をかけないことを心がけています。
読書ノートを書き始めて2年以上経ちますが、記憶の定着率はかなり違うという実感があります。
情報が頭の中で散らかった感じだったのが、読書ノートを作ることで、情報が整理・整頓されたような感覚です。
興味をもった方は、ぜひ一度試してみてください。