「服でも買いにいくか」と街へ行くと、ずらっとショップが立ち並んでいます。
そして、気になったお店へ入るとたくさんのアイテムに目移りします。
これいいな。でもあっちのほうがいいかも。
あれこれ悩んで買ったものの、家へ帰ってみてみると「なんでこんな服買ったんだろ」とすぐに着なくなることありませんか。
今回の記事は「服の選び方」についてです。
服選びにおけるムダと迷いがなくなる基準のつくりかたを紹介していきます。
これまで服選びにかなりのムダを費やしてきた
私は、これまで服選びにかなりのムダを費やしてきました。
これまでの服選びのムダを挙げていけばキリがありませんが、代表的なものを挙げてみましょう。
- 気に入って買ったはずなのに、家に帰ってみてみると「なんか違うなあ」とすぐに着なくなってしまう。
- 着るシーンがほとんどなくて、タンスの肥やしになっている。
- 1着の服を選ぶのに、多くのお店を回り、買い物が済んだときにはへとへとになっている。
- 時間をかけて選んだのに、そもそも同じような服を持っていた。
服選びにおける3つのムダ
服選びのムダは、大きく3種類に分けられると思います。
「お金のムダ」、「時間のムダ」、「スペースのムダ」です。
お金のムダ
せっかく買った服も、すぐに着なくなってしまえば、そのお金はムダになります。
また、気に入っていたとしても着る頻度が極端に少ないものもあって、コスパで考えるとこれもお金のムダと言えます。
時間のムダ
以前は、多くのお店を回り、気に入ったお店に戻って、服を買うということをしていました。
1着の服を選ぶのに、1日かかるというようなことがありました。
服選び自体が楽しければそれでもいいのですが、他にやりたいことがあるのであれば、この服選びは時間のムダです。
スペースのムダ
自分が持っている服をきちんと把握していなくて、買った後に、同じような服を持っていることに気が付くことがありました。
同じような服がクローゼットを占領していて、きちんと使い分けができていなければ「スペースのムダ」と言えます。
服選びの基準を決める
この3つのムダをなくしたいと思い、自分の服の選び方を見直してみることにしました。
自分なりの服選びの基準ができれば、ムダをなくすことができるし、迷いも少なくなって気持ちよく買い物ができるようになります。
服選びの基準の決め方は、以下の手順で進めていきます。
①服を着るシーンを決める
②服を着る目的を考える
③必要なアイテムを決める
④自分の好きなスタイルを決める(雑誌)
⑤自分の好きなブランド・ショップを決める
⑥自分の好きな色を決める
①服を着るシーンを決める
自分が普段どこで過ごしているのか考えて、服を着るシーンを決めます。
私の場合は以下の4つです。
過ごす時間が長い順番で挙げてみます。
家
会社
街(買い物)
山(ハイキング)
そのほかにも、スポーツやデート、飲み会、習い事、旅行など様々なシーンがあると思いますが、自分が特に長い時間を使っているシーンを最大でも4つ~5つほどに絞ります。
②服を着る目的を考える
次に服を着る目的を考えます。
なぜ服を着るのか、服を着る意味をもう一度確認することで、服選びがスムーズになります。
抽象的な話になるのですが、ここは重要なところなのでぜひやってみてください。
服を着る目的は、「保健衛生的機能」と「社会的機能」の2つがあります。
参照:NHK高校講座 | ライブラリー | 家庭総合 | 第30回 衣生活 服は何のために着る? 〜被服の役割〜
機能 | 例 | |
保健衛生的 機能 |
体温調節の補助 | 寒さ・暑さを防ぎ、体温調節を補助する |
身体の保護 | 皮膚を清潔に保ち、紫外線や害虫、高温や危険物などから身を守る | |
生活活動への適合 | 作業や運動、睡眠や休養などの活動を補助する | |
社会的機能 | 職業や所属集団の表示 | 職務の内容を外部に印象付けたり、職務への自覚や集団への所属意識を高めたりする |
社会慣習への順応 | 儀式や行事で、喜びや悲しみの気持ちを表現し、礼節を尽くして社会生活を円滑にする | |
自己の表現 | 着る人の美意識や個性を表現したり、装うことに対する人間的欲求を満足させる |
服を着るシーンを決めたら、それぞれのシーンで「保健衛生的機能」と「社会的機能」がどれくらい求められているのか考えます。
例えば、会社であれば「職業や所属集団の表示」が求められ、「自己の表現」などは控えようと考えます。(これは私の場合)
一方、山では第一に「保健衛生的機能」が求められます。
具体的には、体温調整がスムーズに行えること、紫外線などから保護してくれること、さらに動きやすいことなどの機能です。
③必要なアイテムを決める
服を着るシーンと、服を着る目的が決まったら、次は必要なアイテムを抽出していきます。
例えば、「山」で考えてみます。
「山」で着る服の第一の目的は「保健衛生的機能」でした。
ですから、「保健衛生的機能」を満たすためのアイテムを書き出していきます。
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
下着パンツ
靴下
防寒着
ウインドブレーカー
キャップ
手袋
では「街(買い物)」というシーンはどうするか。
「街(買い物)」では、まず「保健衛生的機能」を十分に満たしていて快適であること。
あとは「社会的機能」として「自己の表現」をしたいと考えます。
「落ち着いてリラックスした印象」や「品よくまとまっている印象」をもたせたいと思います(自分で言っていてはずかしくなってきました)。
これらの条件を満たすために、それほど多くのアイテムが必要ではありません。
例えば、以下のようなアイテムが考えられます(※)。
ジャケット
襟付きシャツ
カーディガン
コート
スラックス
ジーンズ
革靴
スニーカー
ベーシックなデザインのアイテムがこれだけあれば、かなり着まわせると思います。
必要なアイテムを書き出したら、一旦家にある服を確認します。
そして、持っていないアイテムか、もしくは買い替える必要のあるアイテムを抽出します。
④自分の好きなスタイルを決める(雑誌)
同じアイテムでも、ブランドやショップによって、デザインは大きく異なります。
直接、ブランドやショップに行って見てみるのが一番いいと思うのですが、事前にある程度調べておくのがおすすめです。
そこで役立つのが「雑誌」。
現在は多くのファッション雑誌が刊行されていて、趣味・志向が細分化されているため、自分の好きなスタイルを決めるのに最適なのです。
雑誌を選ぶにはこのサイトがおすすめです。
年代やジャンルで分けられているので、選びやすいと思います。
30代 男性 - ファッション雑誌ガイド
気になった雑誌をいくつか取り寄せてみるのもいいかもしれません。
ちなみに、自分の好きなスタイルというのは、年を経たり、環境が変わったりすることで少しずつ変化していきます。
ときどき違う雑誌をのぞいて、今の自分にぴったり合うスタイルを見つけるのが重要です。
ちなみに私は「men's FUDGE(メンズファッジ)」をよく読んでいます。
⑤自分の好きなブランド・ショップを決める
自分の好きなスタイルが決まったら、その雑誌に載っているブランドやショップをチェックします。
雑誌の中では、同じブランドやショップが度々登場しています。
この服いいなあと思うものがあったら、その度にブランドやショップをチェックしてみましょう。
そのうちにお気に入りのブランドやショップが現れるはずです。
私はシーンによって、ブランドやショップをだいたい決めています。
家→ユニクロ、無印良品
会社→ユニクロ、TOMORROWLAND(トゥモローランド)
街(買い物)→TOMORROWLAND(トゥモローランド)、EDIFICE (エディフィス)
山(ハイキング)→THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)、finetrack(ファイントラック)、MAMMUT(マムート)、モンベル
⑥自分の好きな色を決める
自分が好きな色を決めておけば、服選びでのムダや迷いは少なくなります。
ファッションの世界では「ベーシックカラー」と呼ばれるものがあるそうです(※)。
ベーシックカラーのアイテムを選べば、コーディネートがしやすいという利点があります。
よく選んでいるベーシックカラーは、以下の色です。
色で悩んだときは、ベーシックカラーかどうかで選びます。
デザインが良くても、色がベーシックカラー以外であれば、ほとんど選びません。
コーディネートがしにくくて、結局着なくなることが多いからです。
実際にお店で選ぶ
上記の①~⑥までを決めておけば、かなり買い物は楽になります。
あとは、実際にお店へいって肌ざわりや色見、サイズ感を着て確かめます。
そのほかはデザインや機能性、手入れのしやすさなどを比較して買います。
まとめ
今回の記事は「服の選び方」についてお話しました。
服選びの基準の決め方は、6つのステップを踏みます。
①服を着るシーンを決める
②服を着る目的を考える
③必要なアイテムを決める
④自分の好きなスタイルを決める(雑誌)
⑤自分の好きなブランド・ショップを決める
⑥自分の好きな色を決める
服選びの基準を決めておけば、ムダと迷いを限りなく減らすことができます。
選ばされているという感覚から、選んでいるという感覚になれるので、服選びも楽しくなります。
何より、自分の基準をもとによく考えて選んだ服なので、長く愛着を持って着ることができます。
ただし、この記事の通りに実践してもおしゃれになれるかどうかは別の問題ですので、その点はあしからず。
※ 参考:ファッションレスキュー, 『30代からでも身につく メンズファッションの方程式』, 成美堂出版, 2018年.