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ハイキングシューズをあれこれ試した結果、ローカットに行き着いた理由|過去に履いたシューズ紹介

現在、ハイキングに行くときは、ローカットのシューズを履いています。
近所の山から、ロングトレイルまで、すべてローカットのシューズで歩きます。
それどころか、家を出て帰ってくるまでの全行程を1足のローカットのシューズで済ませることもよくあります。
つまり、同じシューズで、家を出て、飛行機に乗り、車を運転し、山へ入り、町を歩くというわけです。

 

ハイキングシューズを買うときに、ローカットにするかハイカットにするかで迷うことありませんか?
書籍やサイトでは、足首の保護などの観点から、ハイカットもしくはミドルカットを勧めていることが多いように思います。
実際、登山ショップに行くと、ハイカットのシューズがずらりと並んでいます。

 

私自身もハイキングを始めた当初は、ハイカットやミドルカットのものを選んでいました。
しかし、あれこれ試した結果、最終的にはローカットに行き着きました。
この記事では、過去に履いたシューズを紹介しながら、ローカットに行き着いた理由をお話していきたいと思います。

 

 

過去に履いたシューズの紹介

さっそく、過去に履いてきたシューズを紹介していきます。

 

1足目 TREKSTA(トレクスタ)「エボリューション」

はじめて買ったシューズは、TREKSTA(トレクスタ)の「エボリューション」というモデルです。
トレクスタは1994年に韓国で生まれたトレッキングシューズのブランドです。

 

大学生だった当時にアウトドアショップに行って、1万円ほどで性能のいいトレッキングシューズありますかと言ってでてきたのがこれ。
ブランド名は聞いたことがなく、少し不安もあったのですが、お店の人の勧めもあって試してみることにしました。
結果として、これが結構良かったのです。
まず、木型(ラスト)が日本人向けのものが使用されているので、足を入れたときに違和感なくすんなり履けて、歩いていても特に不具合はありませんでした。
ソールに関しては、ハイパーグリップと呼ぶ自社ブランドを持ち、それがこのシューズにも使用されています。
ソールと言えば「ビブラム」と思っていたのですが、このハイパーグリップもしっかり地面をとらえてくれて滑ることは少なかったです。
1万円ほどの値段にも関わらず、ゴアテックスが使用されていて、コスパはかなり良かったと思います。
結局、5年ほど使用しました。

 

2足目 LA SPORTIVA(ラ・スポルティバ)「トランゴ S EVO GTX」

2足目は、LA SPORTIVA(ラ・スポルティバ)の「トランゴ S EVO GTX」です。
ラ・スポルティバはイタリアの老舗メーカーです。

 

本格的に登山を始めようと思って、買ったシューズです。
どうせ買うなら上級者が行く山でも使えるようなものがいいと思って選びました。
トランゴは、「このトレッキングブーツ並みの軽快な歩行性能と、急傾斜の岩稜帯にも対応するクライミング性能を両立させたブーツ」というのが売りです。
「3Dフレックスシステム」と言って、足首をきっちりホールドしながら、自由度を大幅に高めるシステムが搭載されています。
また、急斜面の岩場でつま先に力が入るように、つま先は固い素材で少し内側に曲がる(ターンイン)の構造をしています。
「トランゴ S EVO GTX」は、軽快な歩行性能を持ちながら、急傾斜の岩稜帯にも対応できるバランスのよいシューズで、履いてる方も多くいらっしゃいます。
しかし、私はこのシューズを購入後、すぐに手放してしまうことになります。

 

しっかり試し履きをしたつもりだったのですが、初めてこれを履いて山で歩いたとき、後半からどうにもつま先のあたりがきつく感じ始めました(岩場でつま先に力を入れやすいように、つま先はジャストフィットする作りになっている?)。
試し履きの段階ではジャストフィットだったのですが、歩くうちに足がむくんできつく感じたのかもしれません。
何度か山で試してみて、インソールを変更したりしたのですが、やっぱり私の足には合わなくて、泣く泣く手放すことにしました。
このシューズのおかげで、自分の足の形にあったものを選ぶ大切さを学ぶことができました。
※「トランゴ S EVO GTX」自体は、高性能でバランスも良く、デザインも優れたシューズだと思います。足の形が合わなかったのが本当に残念です。

 

3足目 LOWA(ローバー)「タホープロ GT WXL」

3足目は、LOWA(ローバー)の「タホープロ GT WXL」です。
LOWA(ローバー)は、ドイツに本社を置く、登山靴ブランドです。
高品質なシューズを作るために、ドイツ国内、イタリア、スロバキアと登山靴の特色により生産する地域を分けているというほど、モノづくりにこだわったブランドです。

 

「トランゴ S EVO GTX」とお別れしたときに思ったことは、ブランドや性能、デザインの前に、まずは自分の足の形にあったシューズを選ぶことが重要ということです。
再びアウトドアショップに向かった私は、慎重にシューズを試し履きしていきました。
そして、いくつか試してピタッと来たのが、この「タホープロ GT WXL」。
それでも、すぐには買いません。
お店の人にしばらく履いて様子を見ていいですかと聞いて、様子をみることにします
(お店の方はイヤだったかもしれませんね)。
特に違和感もなかったので、「タホープロ GT WXL」を買うことにしました。

 

結果としては、私にとってこのシューズは最高でした。
昔より履く機会は減ってしまいましたが、購入から6年経った今でもちゃんと手元にあります。
本格的な登山のときに登場します。

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「タホープロ GT WXL」の特徴は以下の通り。

  • 日本人の足型を研究し考案されたWXL木型を採用。
  • 内張りはゴアテックス、アッパーは2.5mmの良質ヌバックレザーを採用。アッパーは一枚革でできているため、堅牢性・防水性に優れている。
  • 様々な地形に対応するビブラムソールMasaiを搭載。
  • 人間工学に基づいた左右非対称のタング(ベロ部)がフィット感と快適性を高めている。
  • 足首の動きをソフト素材とシューレースループやアッパーから独立して取付けられた可動式のフックの働きで柔軟にするシステム。
  • ソール内部に少し固めの素材を部分的に配することで、スムーズな歩行をサポートするシステム。

 

山で歩いてみると、これが本当によかったのです。
足首をがっちりホールドしてくれながらも、足首の動きをまったく邪魔しません。
これまでは、登りではゆるめに紐をしめ、下りは少しタイトにしめていたのですが、最初から最後まで紐を調節する必要がありませんでした。
シューズの中で足が動くこともない一方で、指は自由に動かせるスぺ-スがあるので、ストレスも少なかったです。

 

4足目 asics(アシックス)「GT-2170 NEW YORK-SW Men’s」

4足目は、asics(アシックス)の「GT-2170 NEW YORK-SW Men’s」。
神戸に本社を置く、誰もが知っている大手スポーツメーカーです。

 

「タホープロ GT WXL」という最高のシューズを手に入れた私。
どうして、ここに来て普通のランニングシューズに手を出してしまったのか。
その理由は、「軽快さ」です。
家の近くの山に頻繁に通うようになった頃で、毎回ハイカットのシューズを履くのが少し億劫になっていました。
車の中では別の靴に履き替えなければいけないし、登山口までの舗装路を歩くのに「タホープロ GT WXL」ではソールが固すぎて向いていません。
家を出て車に乗り込み、登山口までの舗装路を歩き、そのまま山へ入る。
この一連の流れをシューズを履き替えることなくやりたいと思い、思い切ってランニングシューズで出かけてみることにしました。
今まで「山=ハイカットの登山靴」と思い込んでいた私は、ローカットの軽快さに心を奪われることになります。
ローカットシューズをサクッと履いて、軽快な足さばきで歩くのはそれ自体がとても楽しいものでした。
しかし、一方でデメリットもいくつかありました。

 

まずは「滑る」こと。
ソールの凹凸がほとんどないため、とても滑りやすいです。
ザレ場を歩くと、滑ってバランスを崩す場面が多くありました。
慣れてくれば歩いて程度対応できますが、登山靴と比べると、かなり滑りやすいのでテクニックが必要とされます。

 

次に「濡れる」こと。
ランニングシューズの多くがメッシュ生地でできているので、すぐに濡れます。
朝露のついた下草をかき分けて進めば、すぐに水分を含んで重くなってしまい、すぐには乾きません。

 

最後は、「足裏が疲れやすい」ことです。
ランニングシューズは路面を蹴りだせるように、ハイキングシューズとくらべて、ソールがかなり柔らかいつくりになっています。
そのため、地面の凹凸や岩のでっぱりなどが足裏にダイレクトに伝わってきて、足裏が疲れやすいのです。

 

いくつかのデメリットはありますが、軽快に歩く楽しさをランニングシューズは教えてくれました。

 

5足目 MERRELL(メレル)モアブ「MOAB 2 GORE-TEX® WIDE WIDTH」

5足目は、MERRELL(メレル)のモアブ「MOAB 2 GORE-TEX® WIDE WIDTH」です。
メレルは、1981年アメリカのユタ州で誕生したハイキングシューズブランドです。

 

ランニングシューズでローカットの軽快さにすっかり魅了されてしまった私。
そして、ランニングシューズのデメリット「滑る」「濡れる」「足裏が疲れやすい」を解決するハイキングシューズを探し始めました。
そのような経緯で目にとまったのが、モアブ「MOAB 2 GORE-TEX® WIDE WIDTH」です。

 

モアブ「MOAB 2 GORE-TEX® WIDE WIDTH」の特徴は以下の通り。

  • M SELECT FRESH(エム セレクト フレッシュ):独自の抗菌テクノロジーが、においの原因となるい微生物の繁殖を抑える。
  • AIR CUSHION(エアークッション):衝撃を吸収し、歩行を安定させる独自の技術。着地時にカップ状にかかとを包み込むので、長時間の歩行も疲れない。
  • GORE-TEXゴアテックス):優れた防水性と透湿性を両立した軽量のメンブレン
  • Vibram(ヴィブラム):高性能アウトソール。優れた耐久性とグリップ力で様々な路面で力を発揮する。

 

山を歩いてみると、本当に快適。
登山靴のサポート力と、ランニングシューズの軽快さをミックスさせたような感じで、ストレスフリーです。
ランニングシューズのような快適さを持ちながら、ゴアテックスを使うことで防水性と透湿性を高めています。
また、ソールは適度な硬さを持ったVibram(ヴィブラム)を使っているため、滑ることなく、足裏も疲れにくかったです。

 

ローカットに行き着いた理由

過去に履いてきた5足のシューズについて、紹介してきました。
最終的にローカットのシューズを選ぶようになった最大の理由は、「軽快さ」です。

 

山の中ではしっかり足を守ってくれながら、テントに出入りするときはスムーズで、そのまま運転したり街を歩いたりすることだってできます。
1足でこれだけのことをこなせるのは、ローカットのシューズならではだと思います。

 

ローカットのシューズを買ってからは、ハイキングに行く頻度がぐっと増えました。
気軽に履けるシューズのおかげで、心理的ハードルがぐっと下がって、より自然が身近に感じられるようになった気がします。

 

少し前までは、テント泊などの重装備を背負ったときや未舗装の道を歩くときは、歩行の安定性や保護性を考えて、ハイカットのシューズが推奨されていました。
私の場合は、ロングトレイルを歩くことが多いのですが、装備は比較的軽く、歩く道は舗装路もあります。
そのような場合、必ずしもハイカットのシューズが最適とは言えません。
むしろ、私が普段歩く道ではハイカットが合わない場面が多いのです。
自分のハイキングスタイルに合うシューズを考えたとき、ローカットが適していました。

 

ローカットシューズの長所・短所

ここで、ローカットの長所と短所をまとめてみたいと思います。

 

ローカットシューズの長所

  • 足首の自由度が高い
  • ソールやアッパーがやわらかく、平地が歩きやすい
  • シューズの着脱が容易
  • ハイキング以外の場面でも使用しやすい(運転や街を歩くときなど)

 

ローカットシューズの短所

  • 足首の安定性が低い(とくに重荷を背負ったときなど)
  • 足の保護性が低い
  • 岩場では、足裏に力が入りづらいため登りにくい

 

ローカットと一言に言っても、メーカーによって様々なモデルがつくられています。
ここで言う長所・短所はあくまで一般的なもので、全てのローカットに当てはまるわけではないので、実際に買う場合は、それぞれのシューズの特性を確認しましょう。

 

まとめ

シューズを選ぶ際は、自分のハイキングスタイルがどのようなものか、考えてみるといいと思います。
自分の行きたいハイキングが決まれば、そのハイキングにどのシューズが合うか絞ることができます。

 

荷物はどのくらいの重さなのか。
舗装路と未舗装路はどのくらいの割合か。
岩場はあるか。

 

ローカットのシューズ、ハイカットのシューズ、いずれにおいても長所と短所があります。
私の場合は、最終的にローカットのシューズを選ぶようになりました。
その理由はローカットの長所である「軽快さ」にありました。
そして、私のハイキングスタイルでは、ローカットの短所である「安定性の低さ」などはそれほど気になりませんでした。

 

この短所がさほど気にならないようであれば、ローカットのシューズを一度試してみるのもいいかと思います。
いずれにせよ、色々試しながら自分のスタイルに合ったシューズを選んでいく過程は楽しいものです。

 

ロングトレイルに最適なシューズを選んだときの記事はこちら。

www.gojikitakubu.com