5時帰宅部

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ウルトラライト?ファストパッキング?スピードハイキング?ちょっと一回整理させて

こんにちは。

 

トレイルランニング
スピードハイキング?
ファストパッキング?
ウルトラライトハイキング?

 

最近、雑誌や本、WEBの中では上記のような言葉が多くあふれています。
どれも自然の中を移動するというスタイルであることは間違いないのですが、ぼんやりとイメージしか分かりません。

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今回は、これらのスタイルを一つずつ整理して、頭の中をすっきりさせようと思います。

 

 

「軽量な装備で、軽快に移動するスタイル」を表す言葉たち

今、ウルトラライトハイキングを実践しようと、色んな道具や情報を集めています。
色んな情報を集めていると「軽量な装備で、軽快に移動するスタイル」が様々な名前で呼ばれていることに気が付きました。
「軽量な装備で、軽快に移動するスタイル」には、次のようなものが挙げられます。

 

 

ぼんやりとイメージはできるのですが、どのような違いがあるのでしょうか。
※明確な定義のないものも含まれていますので、その点ご了承いただければ幸いです。

 

トレイルランニング」とは

これは簡単。
「トレイル(未舗装路)」を「ラン」するってことですね。
と思って、日本トレイルランニング協会のHPを調べてみると、そんなに単純な話ではありませんでした。

 

トレイルランニングにおける主要素は「舗装されてない自然の路面」です。トレイルランニングは「路面」と「距離」により規定されています。①自然の路面が75%以上、②自然の障害物、③激しい高低差④美しい景観が得られることが必須です。」
当協会について | 日本トレイルランニング協会

 

「自然の路面が75%以上」など、結構細かな条件がありました。
いずれにせよ移動方法は「走る」ことに重きを置いていて、レースも多く開催されていることから競技的な側面が強いと言えます。

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「スピードハイキング」とは

「スピードハイキング」は以下のように定義されています。

 

「スピードハイクを定義すれば『装備の軽量化によって行動スピードを上げ、短い時間で長く、あるいは長いトレイルを楽しむ登山スタイル』ということになるだろう。」
稲葉豊 編集, 『TRAMPINトランピン vol.22 「快適な速さ」を手に入れるスピードハイク入門』, 株式会社地球丸, 2015年. p28

 

荷物を軽量化することによって、より速くより長いトレイルを楽しみましょうというスタイルです。
「スピードハイク」は、その名の通り「スピード」を上げることに重きを置いているわけですが、「走る」ということは必ずしも定義に含まれていません。
また、「楽しむ」という言葉にあるように、「トレイルランニング」よりも娯楽的な意味が強いと思われます。

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「ファストパッキング」とは

「ファストパッキング」は以下のように定義されています。

 

「ファストパッキングという言葉であり、そのムーブメントの中心にあるアメリカでの定義づけは以下の2点に集約される。
①複数日にわたってキャンプあるいはビバークしながら、素早く長い距離を自分の脚で移動するマウンテン・トラベルである。
②自分自身で適切な装備を発見し、それを所有するだけでなく、いかなる状況においてもそれを使いこなせる技術を習得する。」

有富誠一郎 編集, 『RUN+TRAILランプラストレイル別冊  ファストパッキング入門2014 軽量装備でより自由に, 株式会社三栄書房, 2014年. p6

 

「ファストパッキング」は素早く長い距離を移動することに重きを置いていますが、「スピードハイキング」と同様に「走る」ということは必ずしも定義に含まれていません。
しかし、実際には走れる装備をしていることが多く、人によっては「走る」ことを定義に含めている人もいます。

 

「ファストパッキング」の特徴の1つが、キャンプあるいはビバークすることにあります。
つまり、衣食住をザックに詰めて移動する必要があります。
ここが、「トレイルランニング」や「スピードハイキング」と定義上で大きく異なるところです。

 

もう1つの特徴は、ギアを使いこなす「技術」に重きを置いていることです。
複数日にわたってキャンプあるいはビバークするということは、それだけ長い時間自然の中に身を置くこととなります。
ですから、限られたギアの中で様々な状況に対応していく技術がストイックに求められます。

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「ウルトラライトハイキング」とは

実は、「ウルトラライトハイキング」の明確な定義はありません。
しかし、次のように説明されることが多いように思います。

 

「・「シンプルで軽い道具によるハイキング」
 ・「自然とのつながりに重きをおくハイキング」
これが核心だと思っています。」
『ウルトラライトハイキング』の第一人者、土屋智哉氏の知識と経験が一冊に! - ヤマケイオンライン / 山と溪谷社

 

「ウルトラライトハイキング」は、ウルトラライトとあるように、装備の「軽さ」に重きを置いていて、「ベースウェイトが5kg以下」という基準を持っています。
注目すべきは「軽さ」(重量)ということで「コンパクトさ」(体積)ではありません。
ウルトラライトハイキングをする人は、あくまで「軽さ」を求めていて、「コンパクト性」はそれよりも優先順位が下です。
一方で、「ファストパッキング」を実践する人は走る場面が多いので、荷物の重心をより身体に近い箇所に近づけてぶれないようにする必要があります。そのためには、荷物をコンパクトにまとめなければいけないので、「軽さ」よりも「コンパクト性」を求める場面があるそうです(※)。
※参考:「有富誠一郎 編集, 『RUN+TRAILランプラストレイルvol.12  ファストパッキング入門2015 削る楽しみ, 株式会社三栄書房, 2015年. p24」

 

「ウルトラライトハイキング」は、もう1つの特徴が「自然とのつながりに重きをおく」ということです。
ウルトラライトハイキングと言えば、装備の軽量化が語られる場面が多いのですが、自然とのつながりを感じ、自分自身や自然へインパクトをいかに減らせるかを考える思想的な面を持ち合わせています。

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結局、今やっている活動は何なのか

さて、ここまでそれぞれのスタイルの定義を見てきました。
いずれも「軽量な装備で、軽快に移動する」という意味でひとくくりにされることが多いのですが、それぞれ目指す方向が違うのが分かりました。

 

私が今やっている活動はどれに当てはまるのでしょうか。
速く長く移動したいというよりは、荷物を軽量化して身体への負担を減らして楽に歩きたいという思いがあります。
また、長い時間、自然の中に身を置いて、自然に溶け込みたいという気持ちもあるので、スタイルとしては「ウルトラライトハイキング」が近いと言えるでしょう。

 

ちなみに、主にやっている活動はこのような感じです。
いろんな島を訪れて、山はもちろん、海辺やときには舗装路も歩き、キャンプを楽しんでいます。

www.gojikitakubu.com

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まとめ

今回は、「軽量な装備で、軽快に移動するスタイル」を表す言葉たちを整理して解説しました。
これまでは、「たくさん言葉があるけど、どのスタイルに当てはまるんだろう。それぞれ何が違うのかな。」と少しモヤモヤすることがありました。
今回、整理することができてスッキリしたし、今後自分のやっていきたいスタイルがクリアになりました。
みなさんもぜひ、自分の活動がどのスタイルに当てはまるか考えてみてください。
「自分のやっているスタイルはこれ!やりたいスタイルはこれ!」と言うことができれば、情報の収集と発信の精度が上がるはずです。