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生月島 CMロケ地のサンセットウェイへ|大バエ灯台に続く自然歩道を歩く

今回は、長崎県平戸市にやってきました。
目的の島は、生月島(いきつきしま)と平戸島(ひらどしま)。

 

2018年7月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されたのですが、その遺産の一部がここ長崎県平戸市にあります。
生月島平戸島をハイキングしながら、潜伏キリシタン関連遺産を巡ることにします。

 

最初に訪れたのは、生月島
キリシタンの歴史が今も色濃く残る島で、捕鯨も盛んに行われてきました。
その生月島の北に「生月島自然歩道」があるので、そこを歩きます。

 

 

 

田平天主堂

福岡空港から車を走らせて、ようやく長崎に到着しました。
生月島に入る前に立ち寄ったのが、「田平天主堂」。
豊臣秀吉によって禁止されたキリスト教でしたが、明治時代に入りキリスト教の禁教が解除されることとなります。
それに伴って、信者の祈りの場としてつくられたのが、この天主堂です。

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中では外国の方が大勢いらして、賛美歌を歌っていました。

 

設計施工を手掛けたのは、鉄川与助(てつかわよすけ)。
この人物は、生涯をかけて多くの天主堂の設計施工に携わっていて、その多くが現存しています。
多くの教会を設計しながらも、本人は生涯、仏教徒だったとか。

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これは「貝殻焼き場」です。

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レンガをつなぐ接着材として、貝殻の石灰が用いられました。
多くの信者が貝殻を持ち寄って、この焼き場で石灰を作っていたそうです。

 

赤い平戸大橋
これを渡ると、平戸島です。

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サンセットウェイ

平戸島に入って、「生月大橋」を渡れば、ようやく生月島に到着です。
生月大橋を渡って左に曲がれば、すぐに「サンセットウェイ」です。

 

生月島の西海岸部に沿って、約10㎞。信号がひとつもなく、海沿いの道が続いています。本来は「農免道路」で農業用に整備された道路ですが、水平線が見渡せ、夕方には綺麗な夕陽が見えることから「サンセットウェイ」の呼び名がついています。」
生月サンセットウェイ|世界文化遺産の島 長崎県|平戸観光協会

 

このサンセットウェイは、何度もCMロケ地として使われています。
海沿いの気持ちいい道がずっと続きます。

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石積みの跡があります。
生月島では牛の放牧がしているのですが、牛がまちがって海に落ちないようにするためのものだそうです。

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生月島自然歩道へ向かいます。

 

生月島自然歩道ハイキング(塩俵の断崖~大バエ灯台

九州自然歩道というハイキングコースがあって、生月島にもそのルートの一部が設定されています。
今回は、「塩俵の断崖」から「大バエ灯台」までの約3kmを歩きます。

 

生月島自然歩道ハイキング概要

<とき>2018年11月23日
<天気>晴れ
<距離>3.3km
<行程>
 14:40 塩俵の断崖
 15:00 御崎キャンプ場(御崎野営場)
 16:00 砲台跡
 16:40 大バエ灯台

 

コース詳細はこちら。
https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2017/06/1498096060.pdf

 

塩俵の断崖

スタート地点に着きました。

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ここから見えるのが「塩俵の断崖」。

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マグマが冷えたときにできる柱状節理。
高さ20mの六角形の柱がびっしり並んでいます。

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生月島の民宿で教えてもらったのですが、海岸まで下りて間近に見ることができるそうです。

 

大バエ灯台に向けて進みます。

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少し草が茂っています。

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御崎キャンプ場(御崎野営場)

キャンプ場に着きました。

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この時期は使えませんでしたが、夏季は利用できるようです。
キャンプ場|HIRADOじかん情報|長崎県 平戸市(ひらどし)ホームページ

 

キャンプ場としてはそれほど充実した感じではありませんが、シャワーやトイレ、炊事場など、一通りの設備はそろっています。

 

「御崎柱状節理」。
先ほどの「塩俵の断崖」で見た柱状節理が、ここにもあります。

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このキャンプ場のロケーションは最高です。
一度はテント泊してみたいキャンプ場です。

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生月島はむかし、捕鯨が盛んでした。
生月島には「山見(やまみ)」とよばれるクジラの監視場所がいくつかありました。
そこから回遊しているクジラを見張り、見つかったらのろしを使って知らせていたそうです。
この日泊まった旅館の人によると、このキャンプ場のあたりで、捕らえたクジラを解体していたというのです。

 

先へ進みます。

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振り返ると、海岸線の様子がよく分かります。

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道は結構荒れていて、草が生えていたり、木が倒れていたりします。

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砲台跡

急に現れた古びた建物。

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何の遺構だろうと思って調べてみたら、旧日本陸軍が設置した砲台の跡だったのです。

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対馬海峡の防備のため、旧日本陸軍により設置された『壱岐要塞』の一角をなす砲台。
昭和 12 年(1937)に着工し昭和 13 年(1938)に竣工となり、15cm砲が二門配置された。
壱岐島の黒崎砲台の 41cm砲や的山大島砲台の 30cm砲とともに、壱岐水道等に来襲した敵の軍艦を迎え撃つこととなっていたようである。
現在も見張所跡や倉庫跡は残っており、西海国立公園 生月島自然歩道から立ち寄ることができるが、経年により埋没しているものもある。」https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2013/07/1374715308.pdf

 

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旧陸軍の砲台が残っている島って、実はたくさんあるんですね。

 

森の中から開けた場所に出ました。

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ゴールの大バエ灯台が小さく見えます。

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日が傾いています。

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あの丘の頂上に灯台があります。

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大バエ灯台

ようやく大バエ灯台に着きました!

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「碆(はえ)」とは、海に突き出た岬状の岩礁を表す方言です。

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生月島では享保18年(1733年)から明治30年代初め頃まで、網掛突取法(あみかけつきとりほう)による捕鯨が行われました。
この海で、網をかけたクジラに銛(もり)や剣を打ち込む様子が見られました。

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日が地平線に落ちていきます。
この日は、生月島の旅館に宿泊します。

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カトリック山田教会

翌日は「カトリック山田教会」へ行きました。
この教会の設計施工を手掛けたのも、鉄川与助です。

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明治時代、外国の神父さんのはたらきかけによって、カクレキリシタンからカトリック信者になる人々がようやく現れた地区です。

 

生月島カクレキリシタンの歴史が色濃く残る土地で、現代でもカクレキリシタンとしての信仰を守っている人々がいるというから驚きです。

 

生月大魚籃観音

生月島をドライブ中に突然現れた謎の大仏。
「生月大魚籃観音」という名の仏様らしいです。

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1980年に建設されたもので、高さ18m、重さ150トンにもなります。
漁業の安全と海難者の供養のために建てられたそうです。

 

ここから「生月大橋」がよく見えます。

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あざやかなブルーが海によく映えます。

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生月島まとめ

今回は、カクレキリシタン捕鯨の島「生月島」をハイキングしました。
本当は、生月島から平戸島まで歩いて縦走したかったのですが、時間の都合上、生月島自然歩道ハイキングを歩くことにしました。
ハイキング道は歩きやすいとは言い難いですが、高さ20mの柱状節理や、砲台跡など見どころはたくさんあって面白かったです。
今度来たら、「サンセットウェイ」をゆっくり歩いたあと、御崎野営場で夕日を眺めてみたいなと思います。

 

次は、平戸島を歩きます。

www.gojikitakubu.com