5時帰宅部

”自由に””身軽に”生きる。

軽量コンパクトな寝袋をあれこれ探したらモンベルに行き着いたよ結局

ウルトラライトハイキングを実践するために、今回は、「寝袋」を見直しました。

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寝袋の役割とは?

寝袋の一番の役割は、「保温」です。
休んでいる間に体温が低下するのを防ぎ、体力回復に一役買ってくれます。

 

寝袋はよく「布団」という表現がされるのですが、正確に言うと「掛け布団」です。
背中側は体重でつぶれてしまうため、保温性やクッション性を保つことが難しく、「敷布団」の役割はそれほど期待できないからです(特にダウン)。
ですから、寝袋の役割は、「掛け布団としての保温性」ということができます。

 

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ちなみに、テントの中で「敷布団」の役割を果たしてくれるのは、スリーピングマット。
スリーピングマットによって、寝転んだときに背中側の冷気を遮断し、クッション性を持たせることで、より快適な睡眠を得ることができます。

 

寝袋はそもそも必要か?

では、「掛け布団」である寝袋は、そもそも必要でしょうか?
省略したり、他のものに変えたりすることはできるのでしょうか?

 

原則的には、寝袋は「必要」だと考えます。
体温低下は生命の危機につながるので、やみくもに軽いものに変えたり、省略したりするのは危険です。
ただ、温かさを求めれば求めるほど、それに比例して重量も増していくので、そこの見極めが重要です。

 

そこで、メーカーなどが出している基準をもとに、自分のキャンプにあわせた寝袋を選んでいきます。
例えば、モンベルでは次のような基準が設けられています。

 

「コンフォート温度:一般的に代謝が低く、寒さに対する耐性が低い人が、リラックスした体勢で寒さを感じることなく睡眠ができるとされる温度です。

リミット温度:一般的に代謝が高く、寒さに対する耐性が高い人が寝袋のなかで丸まった状態で寒さを感じることなく睡眠ができるとされる温度です。

エクストリーム温度:一般的に代謝が低く、寒さに対する耐性が低い人が、寝袋のなかで丸まった状態で厳しい寒さを感じ、震えを伴いながら6時間まで持ちこたえられるとされる温度です。」
モンベル | オンラインショップ | スリーピングバッグの対応温度表示が変わります。

 

モンベルでは、リミット温度からエクストリーム温度の間を「リスク温度域」と呼んでいて、この温度域での使用は推奨していません。
ですから、リミット温度が、実際の限界温度と考えるのがいいと思います。
他のメーカーも同じような基準を設けているので、チェックしてみてください。

 

今使っている寝袋の機能は?どのくらいの重さ?

今使っているインナーマットは、mont-bell(モンベル)の「U.L.スーパースパイラル ダウンハガー #3」です。

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「【素材】中綿:800フィルパワー・EXグースダウン 撥水加工:ポルカテックス® 表地:バリスティック®エアライト
【総重量】620g(本体重量:600g)※総重量はスタッフバッグも含んだ重量です。
【収納サイズ】φ14×28cm (3.4L)
【適応身長】身長183cmまで
【快適睡眠温度域】0度~
【使用可能限界温度】-10度」
U.L.スーパースパイラルダウンハガー #3 (モンベル(mont-bell ):寝具)のレビュー - みんなの山道具 - ヤマケイオンライン / 山と溪谷社

 

この「U.L.スーパースパイラル ダウンハガー #3」は2013年に購入しました。
ハイキングでテント泊をする人はモンベルの寝袋を使っている人は結構多いのではないでしょうか。
春から秋の主に低山で使用するということで薦められたのが、この寝袋です。

 

実際に使ってみると、使用可能限界温度が-10度というだけあって、結構あったかいです(当時は「使用可能限界温度」という基準を使っていたみたいです)。
これまで、寒くて眠れないみたいなことはありません(冬の高山での使用はありません)。
また、スーパースパイラルと呼ばれるストレッチ機能があるので、寝返りをうつときもストレスがありません。
それどころか、中であぐらをかくことができるので、半分寝袋に入ったまま朝準備をすることもよくあります。

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とても使い勝手のよい寝袋なのですが、暑い時期では少々オーバースペックでした。
もう少しリミット温度を上げれば、軽量化につながるだろうと思い、新しい寝袋を探してみることにしました。

 

ウルトラライトな寝袋に求める条件

それでは、ウルトラライトハイキングにあう寝袋とはどんなものでしょうか。
寝袋に求める条件を挙げてみました。

 

△ダウン
△コンフォート温度は10℃付近
△重さは400g以下

 

ダウン

寝袋の素材は、大きく分けると「ダウン」と「化繊」があります。
ダウンは軽量でコンパクトというメリットがありますが、水に濡れると保温性が落ちるというデメリットがあります。
化繊は、湿っていても温かさがある程度保たれるというメリットがありますが、ダウンと比べると重くかさばるというデメリットがあります。
ウルトラライトハイキングをめざすのであれば、軽量でコンパクトなダウンということになります。

 

コンフォート温度は10℃付近

コンフォート温度は10℃付近としました。
今使っている寝袋(#3)より一つスペックを落とした(#5)の快適睡眠温度域が6℃以上だったので、それより少し上の数値にしました。

 

実際の使用(6月~9月)を想定してみます。
2019年の大阪の6月~9月の期間で最も低い気温は約16℃。
標高1000mまでの山に対応するとすれば、頂上は地上よりも6℃低いので10℃まで対応できればいいということになります(標高が100mにつき0.6℃下がるため)。
「コンフォート温度は10℃付近」は妥当なところかなと思います。

 

重さは400g以下

現在使用している寝袋の重さが600g。
半分の300gまで落としたいところですが、現実的に厳しそうなので、400g以下としました。

 

ウルトラライトな寝袋の候補

条件にあてはまる寝袋は、以下の6つです。

 

△SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット)/スパークSpI
△NANGA(ナンガ)/MINIMARHYTHM 180(ミニマリスム 180)
ISUKA(イスカ)/エア 130X
△mont-bell(モンベル)/アルパインダウンハガー800 #7
△mont-bell(モンベル)/ダウンハガー800 ハーフレングス #5
△mont-bell(モンベル)/ダウン スリーピングラップ #5

 

SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット)/

SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) スパークSpI ST81232 レギュラー

 

「・超軽量の7Dと10D生地を採用し、軽量コンパクトを実現
・最大限の保温性を発揮するRDS850+ロフトのプレミアムグース・ウルトラドライダウン
・快適で効果的な保温性が得られるマミーシェイプ

 

中綿 850+フィルパワー ウルトラドライプレミアムグースダウン
重量 350g
適合身長 レギュラー=最大183cm
ダウン重量 180g
温度域(EN13537) コンフォート温度=9度(摂氏) リミット温度=5度(摂氏) エクストリーム温度=-9度(摂氏)」
スパークSpI(レギュラー): シートゥサミット | ロストアローオンラインストア

 

NANGA(ナンガ)/MINIMARHYTHM 180(ミニマリスム 180)

ナンガ(NANGA) ミニマリズム180 MIN180

 

「世界最軽量クラスで高みを目指す
「より小さく、より遠くへ」をコンセプトに開発された最高峰アルティメットモデル。
極薄ながら高強度のシェルと、最高級シルバーグ一スダウンを使用。
かつてないコンパクト性と軽さを実現。

 

想定使用温度:0℃ (NANGA基準)
ダウン:ハンガリー産シルバーグース95% (930FP)
生地:表地:7×5dn ナイロンリップ 裏地:10×7dn ナイロンリップ
内部構造:シングルキルト構造
ダウン量:180g
サイズ:レギュラー(最大長:210 × 最大肩幅:80/cm [身長180cmまで])
収納サイズ:φ13 × 20cm
総重量:約325g」
MINIMARHYTHM 180 / ミニマリスム 180 – NANGA | ナンガ

 

ISUKA(イスカ)/エア 130X

イスカ(ISUKA) 寝袋 エア130X ブラック [最低使用温度8度]

 

「総重量はわずか300gで、エアモデルの中では最軽量・最コンパクトです。
軽量化への要求が厳しいトレイルランナーやブルベなどのラリースト、緊急用や旅行用としても最適です。

生地 表/ナイロン100% 裏/ナイロン100%
平均重量 310g
羽毛量   130g(90/10 800フィルパワ-)
最大長   70(肩幅)×180(全長)cm
収納サイズ φ10×18cm
カラー ブラック」
http:// http://www.isuka.co.jp/products/lineup/product.php?seq=7

 

mont-bell(モンベル)/ダウンハガー800 ハーフレングス #5

webshop.montbell.jp

 

「ダウンウエアなどと組み合わせて使用する超軽量スリーピングバッグです。高品質な800フィルパワーEXダウンをみぞおち部まで封入し、上部は中綿を入れず生地のみの構造です。少しでも荷物を軽くしたいアルパインライミングなどで活躍します。夏の縦走などに適した軽量・コンパクトなモデルです。

 

仕様
【重量】 331g(351g) ※( )内はスタッフバッグを含む重量です。
【カラー】ブルーリッジ(BLRI)
【収納サイズ】∅11×22cm(1.8L)
【快適睡眠温度域】8℃~
【使用可能限界温度】4℃」

 

mont-bell(モンベル)/アルパインダウンハガー800 #7

webshop.montbell.jp

 

モンベル独自のスパイラルストレッチ™ システムを採用した「伸びる寝袋」。800フィルパワーの高品質ダウンをボックス構造で封入し、超軽量コンパクトながら高い保温性を備えています。夏の低山をはじめ、自転車やバイクのキャンプツーリングに適したコンパクトなモデルです。※背面はシングルキルト構造

 

仕様
【素材】表地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[撥水加工]
裏地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[帯電防止加工]
【重量】365g(387g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。
【カラー】エッグプラント(EP)
【収納サイズ】∅12×24cm(2.4L)
【コンフォート温度】11℃
【リミット温度】7℃
【エクストリーム温度】-6℃
【適応身長】183cmまで」

 

mont-bell(モンベル)/ダウン スリーピングラップ #5

 

 

「キャンプから荷物の軽量化が必要なスピードハイクまで、さまざまなシーンで活躍する簡易スリーピングバッグです。表地には軽量性と強度を両立した独自の素材、中綿には超高品質800フィルパワー・EXダウンを使用し、保温性と収納時の軽量コンパクト性を両立。同等の保温性能を持つダウンスリーピングバッグと比較して、約20%の軽量化と収納時のコンパクト性を実現しています。簡単な操作で使用でき、大型のブランケットとしても活躍します。

 

仕様
【素材】表地:10デニール・バリスティック エアライト® ナイロン[ポルカテックス®加工・帯電防止加工]
中綿:800フィルパワー・EXダウン
【重量】346(363g) ※( )内はスタッフバッグを含む重量です。
【カラー】バ-ントオレンジ(BTOG)、ダークネイビー(DKNV)
【サイズ】最大長199×最大幅114cm
【収納サイズ】∅11×22cm(1.7L)
【適応身長】183cmまで」
モンベル | オンラインショップ | ダウン スリーピングラップ #5

 

選んだのは…「mont-bell(モンベル)/ダウン スリーピングラップ #5」

暑い時期のときは、寝袋にすっぽり入り込むというよりは、ジッパーを全開にして身体にかけるというような使い方をすることが多いです。
なので、ジッパーがないものや、ハーフジッパーのものは除外することにします。

 

6つの寝袋から残ったのは、この2つ。
△mont-bell(モンベル)/アルパインダウンハガー800 #7
△mont-bell(モンベル)/ダウン スリーピングラップ #5

 

どちらもモンベルの商品となりました。
そして、最終的に選んだのは「ダウン スリーピングラップ #5」です。
なぜ「ダウン スリーピングラップ #5」を選んだのかというと、「軽さ」と「対応できる温度域の広さ」です。

 

まずは「軽さ」です。
実際、重さはほとんど変わりませんが、「ダウン スリーピングラップ #5」がわずかに20gほど軽いのです。

 

アルパインダウンハガー800 #7 365g
ダウン スリーピングラップ #5 346g

 

そして、もう一つが「対応できる温度域の広さ」。
モンベルでは対応できる温度で#がつけられています。
モンベル | オンラインショップ | ギア | スリーピングバッグ/マット

 

数値が小さいほど、低い温度に対応できるようになっています。
アルパインダウンハガー800 #7」と「ダウン スリーピングラップ #5」では、数値の低い「ダウン スリーピングラップ #5」の方が低い温度に対応できるということです。

 

さらに、「ダウン スリーピングラップ #5」はブランケットのように身体にかけるように使うこともできるし、ホックやバックルを留めればスリーピングバッグとしても使えることができるので、より幅広い使い方が可能です。

 

これらの理由から「ダウン スリーピングラップ #5」を最終的に選びました。
ただし、「ダウン スリーピングラップ #5」はストレッチ性や、寝袋のフード部分がないので、それらが欲しい方には「アルパインダウンハガー800 #7」をおすすめします。

 

ウルトラライトハイキングで、実際に「ダウン スリーピングラップ #5」を使用している方がいたので紹介します(動画では旧製品の「ダウン マルチブランケット#5」として紹介されています)。


ウルトラライトハイキングのパッキング術#3 ~スリーピングバッグ&パッド活用術~

 

実際に買いに行くと…

意気揚々とモンベルに行くと、「ダウン スリーピングラップ #5」が置いてありました。
手に取ってレジに向かおうと思ったとき、ふと横を見ると旧製品「ダウン マルチブランケット#5」が置いてあるのに気が付きました。
店員さんに聞くと、サイドのテープが収納できるかできないかの差だけとのこと。

 

新「ダウン スリーピングラップ #5」は、¥19,500 +税。
旧「ダウン マルチブランケット#5」は、¥15,600 +税。

 

何の迷いもなく、「これください(旧製品)」と差し出しました。

 

まとめ

今回の寝袋の購入で、どれくらい軽量化ができたでしょうか。
今まで使っていた「U.L.スーパースパイラル ダウンハガー #3」の重さが「620g」(スタッフバッグ込み)。
「ダウン マルチブランケット#5」の重さが「359g」(スタッフバッグ込み)。

 

「620g」-「359g」=「261g」

 

ということで、「261g」の軽量化に成功しました。

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アイテム1つで250g以上軽量化できたので、上出来だと思います。
「ダウン マルチブランケット#5」は、かなり軽量でコンパクトなのでウルトラライトハイキングにはぴったりだと思います。
また、ブランケットとしてもスリーピングバッグとしても使えるので、用途の幅も広い優れモノです。

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実際にフィールドで使用して、使い勝手を報告します。