今回、島ハイキングでやってきたのは「男木島(おぎじま)」。
男木島とは
今回訪れた男木島は、香川県高松市の沖合いに浮かぶ小さな島です。
「瀬戸内海にある男木島(香川県高松市男木町)は、高松港から約35分ほど沖合に位置し、周囲4km、人口200人に満たない小さな島です。その大部分が山地であり平地がほとんどありません。そのため民家は島の南部の男木港周辺の斜面に密集して建ち並んでおり、その民家の間をまるで迷路のように細い坂道が入り組むといった独特の景観が特徴的です。島には全国でも珍しい御影石造りの男木島灯台があり、「日本の灯台50選」に選ばれ、また映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台にもなりました。」
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「瀬戸内国際芸術祭」の舞台にもなっている島で、アート作品を見るために訪れる観光客も多いそうです。
男木島には、石造りで雰囲気のある男木島灯台があると聞いたので、その灯台をめざして島一周をぐるっとハイキングすることにしました。
男木島ハイキングの概要
<天気>くもり
<距離>6.0km
<行程>
10:40 男木港
11:40 豊玉姫神社
12:10 男木島灯台
12:50 タンク岩
12:45 ジイの穴
14:10 男木港
男木港看板より
男木島ハイキングの概要の詳細
男木港
10:40 男木港
男木港に着きました。
人口は200人に満たない小さな島ですが、ぞろぞろと船から人々が降りてきます。
観光客が多い感じです。
アートの島だけあって、さっそく巨大なたこつぼのアートが出迎えてくれます。
これは「男木交流館」。
島の待合所で、中では食事ができて、お土産や乗船券の販売なども行っています。
島を反時計回りに歩いていきます。
小さな島では、こんな感じの細い道が多くみられます。
もうすぐ4月。
テントウムシが動き出し始めています。
豊玉姫神社
11:40 豊玉姫神社
豊玉姫神社に着きました。
豊玉姫神社は「安産の神様」として信仰されていて、神社に伝わる子安貝でお酒を飲むと安産になると伝えられています。
豊玉姫神社って、神社としては少し変わった名前ですよね。
男木島に、かつて豊玉姫というお姫さまがいて、その人の名前からとっているようです。
豊玉姫にまつわる伝説がこちら(看板より)。
「その昔、狩りの上手な山幸彦と、釣りの上手な海幸彦という兄弟がいました。
ある日のこと、二人はお互いの道具を交換して、山幸彦は海へ、海幸彦は山へと出かけます。」
しかし、釣りに出かけた山幸彦は、そこで釣り針を落としてしまいます。
困り果てた山幸彦の前に海の神様が現れ、釣り針の場所を教えてくれます。
そして山幸彦がたどり着いたのがこの男木島で、ここで豊玉姫と出会います。
二人は結ばれ、豊玉姫は子どもを産むこととなりました。
「その姿を覗いてはならないという約束を破り、山幸彦は、ついのぞいてしまいます。何と姫は、ワニ(サメ)の姿になっていたのです。その姿を見られてしまった豊玉姫は、とても恥ずかしく思い、男の子をおいて、海深くへ帰っていってしまったのでした。
実は、この男の子の孫が、神武天皇なのです。」
この豊玉姫の話は古事記や日本書記にでてきます。
いつの時代かは分かりませんが、その話が男木島に伝わり、地元の信仰と結びついたのでしょうか。
ここからの景色はきれいです。
男木島の集落の様子がよく分かります。
豊玉姫神社にいたネコ。
スイセンの前でおとなしくポーズをとっていたので、思わず撮ってしまいました。
境内に張られていた写真。
桶の中に下肥を入れて運ぶ女性です。
写真は昭和29年ごろに撮られたもので、その時代はこうやって運んでいたそうです。
運悪くひっくり返してしまうこともあったようで、当時の男木島の女性たちが、当時の高松市長にバキュームカーを陳情したという話が残っています。
豊玉姫神社を後にし、しばらくは舗装路を歩きます。
視界が開けた場所にでました。
高松市内の方角が見えています。
中央のぽこっと先がとがった山が「五剣山」。
山頂が5つの剣のように見えることから、その名がつけられています。
その右側の平たい山頂をもつ山が「屋島」で、源平合戦の舞台になった場所です。
そのまま進むと、舗装路がなくなり、自然道へと切り替わります。
土の地面を歩く方がやっぱり気持ちいいですね。
スイセンがたくさん植えられたエリアで水仙郷と呼ばれています。
その数1100万株とも言われています。
花が咲く時期は過ぎてしまっていましたが、少しだけ残っていました。
1100万株は見ごたえがありそうです。
男木島灯台
この灯台は明治28年に建設されたもので、御影石づくりの洋式灯台です。
香川県の庵治石が使用されていて、御影石づくりの灯台は全国に2基しかないそうです。
男木島灯台には「男木島灯台資料館」が隣接していて、中を見学することができます。
男木島灯台だけでなく、男木島の歴史や風習なども学ぶことができます。
「男木島灯台資料館」で学んだことをいくつかピックアップしてみます。
- 男木島の最も比重を占めた産業は漁業。
- 昔から、男木の漁師は力の強い者が多く、その交渉力により入漁権などで女木島や直島を仕切っており、かなり隆盛を誇っていた。
- しかし、江戸時代にはいると幕府天領となり、漁業区域が制限された。また、台風や飢饉の多い時代となり、男木島でも約半数の島民が病餓死した。
- 幕末には、外国船の襲来に備えるため砲台づくりを高松藩に強制されたが、これを拒んだため売り先の高松魚市場から締め出される。
- 明治時代、所属県が目まぐるしく変わったため、従来からの慣習だった漁業権に対しての既得権が薄れ、隣の直島と争うことに。海上で漁民同士が血を流すほど険悪なものになった。9年の間、幾度の裁判を経て男木島が勝訴する。
- 出産のとき、産婦はしゃがむようにして出産する風習があった。
- 瀬戸内海の島々には、昔から未婚の男性たちが寝泊まりできる集会場(合宿所的)や未婚の女性たちが共同生活できるネエ等宿という施設があった。
この男気島灯台にはキャンプ場が併設されています。
こちらがトイレ。
キャンプ場の目の前にはビーチが広がっています。
男木島灯台を後にして、先へ進みます。
タンク岩に近づくにつれて、岩場が増えてきました。
タンク岩
12:50 タンク岩
コミ山(213m)の頂上近くにあるタンク岩。
柱状節理と呼ばれるもので、およそ500万年前に火山の噴火により生まれたと考えられています。
付近には柱状節理が崩壊して広がった岩海があります。
山桜が咲いています。
コミ山の山頂付近にある展望台です。
ジイの穴
12:45 ジイの穴
男木島の隣の女木島は別名「鬼ヶ島」で親しまれていて、桃太郎伝説が残っています。その鬼の隠れた洞窟と言われているのが、この「ジイの穴」。
洞窟の奥に湧水が湧いていて、飲むと不老長寿になるという言い伝えがあるそうです。海の潮に満ち引きで、湧き水の水位が変わるとも言われています。
雰囲気のある道です。
この後、ガサガサと大きな音がするので、谷の方をのぞき込むとイノシシが数頭いました。
幸いこちらには気づいていません。
鼻をつかって食べ物を探しているようでした。
しばらくすると茂みの奥へと入っていきました。
後で島の人に聞くと、昔はこの島にイノシシはいなかったけど、何年前からか見られるようになったとのこと。
もしかしたら、海を泳いで渡ってきたのかもと言っていました。
舗装路にでました。
14:10 男木港
男木交流館に戻ってきました。
男木島観光
フェリーに乗るまで、まだ少し時間があったので男木島を散策してみることにします。
ogijima ゆくる
「ogijima ゆくる」は築96年の古民家を利用したカフェとゲストハウスです。
このカフェで一休みすることにしました。
頼んだのは「和三盆バーガー」。
冷たい和三盆クリームがサンドされたバーガーで、不思議な食感とほんのりした甘さが味わえます。
囲炉裏のある古民家は雰囲気があって、懐かしい感覚にとらわれます。
ゲストハウスで宿泊もできるみたいなので、泊まるときはここを利用してみたいなと思います。
そろそろ時間なので、港に向かいます。
さようなら男木島。また来ます!
まとめ
高松港からほど近くにある男木島。
小さな島なので歩いて3~4時間ほどで一周できました。
今回訪れた場所は派手さこそないですが、どれも愛らしくてゆったりした気分にさせてくれるものばかりでした。
ゆったりハイキングを楽しみたい人にはぴったりの島だと思います。
今回は日帰りだったので、今度は宿泊もしてみようと思います。
翌日は女木島をハイキングしました。