隠岐島後の1日目は、「高田山(たかたやま)」に登りました。
そのときの様子はこちらです。
2日目は「大満寺山(だいまんじさん)」を目指します。
大満寺山は隠岐諸島の最高峰で、標高は608m。
今回は、大満寺山からその奥の続く「鷲ヶ峰(わしがみね)遊歩道」も歩いてみることにしました。
この辺りは、隠岐独自の生態系が色濃く残っているエリアで、その象徴的な「岩倉の乳房杉」を観ることができます。
「大満寺山」登山 概要
場所はこちら。
<登った山>大満寺山(島後)
<とき>2018年05月01日(火)
<メンバー>単独
<天気>晴れ
<ルート>有木登山口→大満寺山→鷲ヶ峰登山口→鷲ヶ峰→トカゲ岩→鷲ヶ峰登山口→岩倉の乳房杉→有木登山口
<距離>10.5km
<行程>
09:00 有木登山口
09:30 大満寺
10:15 大満寺山
10:50 鷲ヶ峰登山口
11:10 鷲ヶ峰
12:30 トカゲ岩
14:00 鷲ヶ峰登山口
14:10 岩倉の乳房杉
15:30 有木登山口
コース詳細はこちらの資料を参照しました。
http://www.nijinet.or.jp/Portals/0/pdf/yama100/sheet/022.pdf
「大満寺山」登山 詳細
しばらく車道を歩き、登山口を目指します。
この辺りの道はかなり細いので、車で来る場合は注意が必要です。
水が豊富な森です。
水が葉に伝って光を反射する様子は、とてもキレイです。
マイナスイオンに癒されながら写真をとっていたら、ギョッとしました。
こいつがいたからです。
なめくじ!なめくじ?なめくじなのか?
なめくじにしてはでかい!でかすぎるぞ。
これ、たぶん「ヤマナメクジ」だと思います。
ネットで調べると、10cm以上になると書かれていましたが、彼は10cmは優に超えています。
気を取り直して進みます。
車道なので歩きやすいですね。
09:00 有木登山口
登山口に着きました。
さっそく登山口の先が見えません。
不安です。
こんな感じで川沿いの道を進んでいきます。
しばらく進むと、緩やかな尾根に出ます。
なんか建物らしきものが見えてきました。
09:30 大満寺
大満寺です。
大満寺山の名前の由来にもなったお寺です。
こちらは「平成狸合戦ぽんぽこ」でタヌキたちが会議してたお寺でしょうかと言いたくなるような、雰囲気のあるお寺です。
その昔、漁師が海から観音像を引き上げたため、それを祀ったのがこのお寺の始まりなのだとか。
でも、なにか様子がおかしいのです。
そう、崩れかけているのです。
中も荒れていて床が抜けています。
以前は、学校教育の一環で、このお寺の前でキャンプなどをしていたみたいです。
今でもトイレや炊事場などが残っています。
たしかに、お寺の前の芝生はふかふかで平らなので気持ちよさそう。
でも、このお寺の前で一人でキャンプするのは少しこわいかも。
大満寺の奥の小道を進んでいきます。
大満寺山まであと少しです。
頂上近くの尾根に出ます。
光がたくさん入ってくるので明るいですね。
10:15 大満寺山
大満寺山の頂上です。
一人登山者の方が休憩されていました。
この日は暑くてバテバテだったので、ここで引き返そうか迷ったのですが、トカゲ岩は見たかったので、先へ進むことにしました。
10:50 鷲ヶ峰登山口
一度、車道へ出ます。
ここが「鷲ヶ峰登山口」です。
鷲ヶ峰遊歩道です。
この辺りのエリアでは、隠岐の固有な生態系を確認することができます。
隠岐の植生は独特で、「大陸系」、「北方系」、「南方系」、「固有系」の植物を確認することができます。
これらの植物は本来別々の場所や地域で見られるのですが、ここ隠岐では、様々な植物が入り混じって生息しているのです。
この理由は次にように考えられています。
参照:「日本のユネスコ世界ジオパーク」パンフレット、「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」パンフレット
- 約2万年前の氷河期時代、隠岐は島根半島と陸続きだった。隠岐は海が近く、本州と比べると標高が低かったため、比較的暖かかった。暖かさを求めて、様々な生物が本州側から隠岐へ移動した。
- 約1万年前に温暖化が起こると、多くの生物は再び本州へ戻った。温暖化が進むと海面が上昇し、隠岐は島となる。島に取り残された生物は、標高の低い隠岐でそれぞれ適応していった。
- さらに隠岐近海では暖流が流れ込んでいるため、南方系の植物の種子や苗が流れ着き、自生していった。
11:10 鷲ヶ峰
鷲ヶ峰の近くからは、屏風岩を眺めることができます。
屏風岩は火山活動でできた岩です。
柱状節理の特徴が確認できますね。
天国に来たのかな?と思うくらい気持ちいい道です。
と思っていたら、こんな看板。
「注意 これより先の歩道区間は、急斜面で不安定な岩場が連続し、滑落の危険があります。通行される方は、十分な登山装備をした上で、自己の責任において利用してください。」
おだやかじゃないですね。
確かに、おだやかじゃないですね。
でもその分、景色は最高です。
12:30 トカゲ岩
全長26mもあるトカゲ岩。
たしかに巨大なトカゲが岩にへばりついてるように見えます。
日本の三奇岩の1つとされています。
このトカゲ岩、実は前足があったのですが、2000年の鳥取西部地震のときに崩落してしまったそうです。
「トカゲっていうより、タカっぽいですね。」と一緒に眺めていた人と話しました。
このトカゲ岩近くで撮ろうと思うと結構大変です。
バランスを取りながら写真を撮るものの、手前にある草にしかピントが合わず、苦労しました。
写真と撮っている女性も態勢を保つのが大変そうでした。
14:00 鷲ヶ峰登山口
鷲ヶ峰登山口に戻ってきました。
「岩倉の乳房杉」を観るために、南谷林道を下っていきます。
14:10 岩倉の乳房杉
岩倉の乳房杉です。
神秘的な空気をまとった巨木に、思わず息を飲みます。
この杉は、樹齢800年。
高さは38m、幹回りは11mにも達します。
地上数mの箇所から15本の幹に分かれていて、下垂根を伸ばす様子は迫力があります。
この杉がこの形になったのは、この辺りの地形や気候が大きく関係しています。
現地看板(島根県)より
- この場所には、大きな岩が重なっていて地表に土がなく、根から水が吸えない。
- 一方、重なった岩のすき間(風穴)からは地下水によって冷やされた空気が流れだしていて、海を渡ってきた暖かい空気とぶつかって霧が多発する。
- 空気中の水分を吸収するために、杉は下垂根を多く伸ばしている。
また、この杉は、約2万年前の氷河期時代に本州から隠岐に渡ってきた植物の子孫で、日本の植物の先祖に当たるDNAが残されている可能性があるそうです。
いや、カタツムリもでかいのね!
隠岐固有のオキニシキマイマイでしょうか。
15:30 有木登山口
無事到着です。
「壇鏡の滝」を滝裏から眺める
大満寺山へ登ったあとは、「壇鏡の滝」へ立ち寄ってみることにしました。
「日本の滝百選」「全国名水百選」に選ばれている壇鏡の滝。
滝の裏側に回って、滝が落ちる様子が見えるという珍しい場所です。
壇鏡の滝へ行くには、この鳥居をくぐって向かいます。
随分とりっぱな杉がのびています。
この杉について、面白い民話が残っています。
その昔、出雲大社の修繕を行うために、壇鏡神社の境内にある杉を提供するように言われます。その要求に腹を立てた村人でしたが、しかたなく杉を切り、運び出すことになりました。
そうしているうちに、村人のひとりが、鳥居を本殿の方向へずらしているではありませんか。
何をしているのかと聞くと、「こうすれば、鳥居の外の杉は壇鏡神社のものではないから切り出さなくて済む」と言うので、村人たちは関心して鳥居を移動させます。
そうして、守られたのがこの大きな二本の杉ということです。
参考:「八百比丘尼 in 隠岐島 2000 実行委員会」看板より
岩の崖にぐるっと取り囲まれた空間に出ます。
そして、高さ40mの崖の上から滝が流れ落ちてきます。
滝の裏側に回ってみます。
滝が目の前に流れ落ちていくなんとも不思議な空間です。
滝越しに見える神社も絵になりますね。
「ジオリゾートシンフォニー」で最高のごはんを食べてテント泊
この日は、「ジオリゾートシンフォニー」でキャンプしました。
ジオリゾートシンフォニー|隠岐の島の宿泊|隠岐の島町観光協会
ジオリゾートシンフォニーは、テント泊やコテージ泊ができる施設です。
この日はここで、テント泊にすることにしました。
「お食事ご用意できますけど、どうなさいますか?」と聞かれたので、せっかくなのでお願いすることにしました。
ジオリゾートシンフォニーの中に「カフェ ラ・メール」というカフェがあって、そこで食事するとのことです。
これがカフェの外観です。
この食事が本当に驚きなのです。
机につくとお品書きがありました。
【本日のお料理】
バーニャカウダ
鰻の茶碗蒸し
赤なまこ酢
ボルシチ
タラの芽と白バイのゼッポリーネ
パエリア
牛肉の石窯焼き
デザート チョコレートブラウニ いちごのマスカルポーネ
美味しい。
本当にお世辞抜きで美味しい。
食材はもちろん、調味料にもすごくこだわっているそうです。
ちなみに肉はこの石窯で焼いてくれます。
地元の食材をふんだんに使った料理で、実際に島で採れた海や山の幸が使われていました。
実はこれさっき山で採ってきたんですよ、なんて話もしてくださいました。
カヤックのツアーもやっていて、アウトドアで料理することもあるとおっしゃっていました。
「隠岐は一生かけても遊びつくせないですよ。」という言葉から、オーナーのご夫婦が、隠岐での生活を丁寧に楽しんでいるのがすごく伝わりました。
お腹いっぱい幸せな気分で、シュラフにもぐりこみました。
ここはぜひとももう一度訪れたい場所です。
次回は、隠岐島後の観光地を巡ります。
~その③~へ続く。