奥尻島は、北海道の南西部の日本海に浮かぶ島です。
島の約8割が緑に覆われた自然豊かな島で、「オクシリブルー」と呼ばれるほど、きれいな海がひろがっていると聞きます。
2018年の夏は、奥尻島をめぐってみることにしました。
球島山に登り、復興の森やフットパスなどを歩きます。
そして、最後は「奥尻ワイナリー」へ立ち寄りました。
礼文島から奥尻島へ
奥尻島へ行く前は、礼文島へ行きました。
その時の様子はこちらの記事をご覧ください。
礼文島から函館へ移動し、1泊します。
起きると、朝からしっかり雨が降っています。
霧が濃いので着くかどうかという心配をしていましたが、なんとか着陸できて一安心。
観光協会の方がわざわざ空港へ迎えにきてくださいました。
「今日はどちらの宿に泊まるんですか?」
「一応、キャンプしようかと思ってます…。」
「え?大丈夫ですか。今日、雨風強いですよ。」
「ちなみに、どこのキャンプ場ですか?」
「北追岬公園です。」
「あそこは本当に風つよいですよ。」
私が風強いと聞いてビビっていると、じゃあ宿さがしてみましょうか、と言って電話をかけて宿をさがしてくれました。
見つかったのが、「御宿(おんじゅく)きくち」。
■御宿 きくち■
13時には宿に入れてくださって、ひたすらゴロゴロします。
お風呂に入ってさっぱりしたところで、宿の方と話をします。
奥尻島のことをいろいろ教えてくださいました。
- 奥尻島の中学校は1つで、1学年1クラス(30人くらい)。
- 今年は天気がおかしくて霧がずっと続いている。最近、飛行機が毎日欠航だった。
- 別の年はカラッと晴れて、30℃超す日もある。
- 奥尻島の高校は、国内から留学生を募集している。留学生は親元を離れて、高校3年間を奥尻で過ごす。
- 夏には、「奥尻ムーンライトマラソン」をやっている。
翌日は、気持ちのいい快晴になりました。
急な宿泊も受け入れてくださってありがとうございます。
お礼を言って、球島山ハイキングへ出発。
球島山ハイキング
ハイキング概要
<登った山>球島山
<とき>2018年08月17日
<天気>晴れ
<距離>11km
<行程>
09:20 球島山登山口
10:40 球島山山頂
12:00 球島山登山口
コース詳細はこちら。
ハイキング詳細
09:20 球島山登山口
宮津小学校跡の横の道路を登っていきます。
球島山は標高369mですが、頂上まで舗装路が続いています。
車で行くこともできますが、ゆっくり風景を楽しみたかったので、歩いて登ります。
振り返ると、少し海が見えてきました。
牧草地のような場所にきました。
北海道のせなた町の方が見えます。
頂上までもう少しです。
この丘を登れば頂上です。
階段の脇にあるアジサイがきれいですね。
10:40 球島山山頂
山頂は360°のパノラマが広がります。
球島山は、実は奥尻島で一番高い山ではありません。
一番高いのは、神威山(かむいやま)で標高584.5mですが、自衛隊の敷地内のため、入ることができません。
来た道を戻ります。
12:00 球島山登山口
宮津小学校跡が見えてきました。
ゴールです。
宮津弁天宮
宮津弁天宮は、1831年に大漁祈願のために建てられました。
「七福神」の一員のあの弁天さまで、海上安全や大漁祈願などを祈願する神様です。
この岩山には、古くは9世紀頃のオホーツク文化の遺跡や、16~17世紀頃のアイヌの砦が築かれたそうです。
ちなみに、道北地方の時代区分は、「縄文時代」→「続縄文時代」→「オホーツク文化」→「擦文時代」→「アイヌ文化」と続き、オホーツク文化はサハリン南部から北海道北端からオホーツク海沿いに広まった文化です。
ここは、奥尻海峡を行き来する舟を見渡せることができ、神社が建立される以前から奥尻島において重要な場所であったと考えられています。
「オクシリブルー」に真っ赤なお宮が映えます。
賽の河原公園
奥尻島の最北端の「賽の河原公園」へ行きました。
「死んだ子供が行く所といわれる冥途(めいど)の三途(さんず)の川の河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。」
賽の河原(サイノカワラ)とは - コトバンク
風が強く広々とした浜の雰囲気は、たしかに、「賽の河原」を想像させます。
次は、「復興の森」を目指します。
「奥尻21世紀の森 復興の森」
「奥尻21世紀の森 復興の森」という森があって、1時間ほどで歩ける遊歩道が設けられています。
「奥尻島の大部分は深い森に覆われ、ブナ・トチノキ・ヒメアオキなどの南方系の樹木が豊富にある一方で、山の奥にわけ入るとダケカンバのような北方系の樹木も見つかります。奥尻島は南と北の植生が共存する珍しい環境にあります。また、島の深い森は豊富な水を蓄える役目をしていて、島内の川はどれも小規模ですが水が涸れることはありません。」
奥尻島 旅案内 奥尻町パンフレット
これは、おそらく「カエンタケ」です。
後で調べると、猛毒のきのこだと分かりました。
食べると死亡率が非常に高く、触っただけでも炎症を起こすといわれています。
触らなくてよかった。
ブナのきれいな森です。
フットパスへ向かいます。
奥尻島フットパス「D:芸術と温泉の癒しコース」
もともと、「フットパス」とはイギリスで発祥したもので、「遊歩道」という意味があります。
奥尻島には、3つのフットパスが設定されています。
今回歩いたのは、奥尻島フットパス「D:芸術と温泉の癒しコース」です。
島の北西部にある北追岬公園の周りを歩くコースで、約3kmを歩きました。
振り返ると、奥尻山で最も高い「神威山(かむいやま)」が見えます。
かっこいい山のかたちですね。
「その昔、アイヌ人の人々が船で航行していた時代、島の西海岸に航海の難所があり、悪さをする神がいるのが原因と考えられていた。その神をなだめるため祀りを行なった場所をカム・イ・イワキと言い、現在の神威脇という地名、神威山という山名の由来となった。島にはアイヌ文化の痕跡である地形が残っている。」
島歩き奥尻島フットパス 奥尻島観光協会パンフレット
こんな道を進みます。
突如現れる「ずぼら岩」。
名前の通り、下を通り抜けると近道ができます。
だけど、結構こわい。
気持ちのよい海岸線を続きます。
北追岬公園はキャンプができるのですが、実際に何張かテントが張られていました。
キャンプをしている人に聞いたら、昨日の風はすごくて、隣の人は退散したって言っていました。
北追岬公園には、このような彫刻がいくつもあります。



このあたりの地域は、国後島から引揚者が開拓した地域で、引揚者の人たちの故郷への思いを表現した作品もあるそうです。
奥尻ワイナリー
「ホテル緑館」が見えてきました。
「奥尻ワイナリー」は、このホテルの奥に位置しています。
これは、ホテル緑館の前にある足湯。
無料で入れるそうです。
歩いた後で汚れていたので、今回は遠慮しましたが、これに浸かりながら海眺めるのは気持ちいいいだろうな。
ぶどう畑が見えてきました。
奥尻ワイナリーの中に入ります。
奥尻島で育てたブドウを、ここで醸造しています。
島に自生する山葡萄の苗木を植えるところから始めたというから驚きです。
「奥尻ワインアイス」。おいしい。
神威脇地区にあるトンネル横の海が、一番「オクシリブルー」を感じられるとのことなので、見にいきます。
鍋釣岩
宿に行く途中に、奥尻島のシンボル「鍋釣岩」を見ました。
これが自然にできた形とは思えません。
高さは19.5mもあります。
岩にしがみつくように生えている植物の生命力がすごいです。
岡本旅館
この日は、奥尻島の南の青苗地区にあり「岡本旅館」に泊まりました。
ここの旅館はなにより、料理がおいしいです。
ウニやアワビなど、奥尻の海の幸を存分に味わえます。