現在、「島×ロングトレイル」というものに挑戦しています。
文字通り、島でロングトレイルを歩くという取り組みです。
これまで、いくつかの島へ行って、自然や歴史と触れ合える道を歩いて旅してきました。
これまでは既存のルートを歩くことが多かったのですが、しだいに自分でルートを設定し、そのルートを歩いてみたいと思うようになりました。
この記事では、オリジナルのロングトレイルをつくるために、どのようにルートを設定していけばよいかを説明していきます。
オリジナルのロングトレイルをつくりたい
日本ロングトレイル協会のホームページ上では、多くののロングトレイルが紹介されています。
しかし、その中でも島を歩くロングトレイルは、ほとんどありません。
「奄美トレイル」や「九州オルレ」の一部など、ごくわずかです。
日本ロングトレイル協会−リンク集
これまでは「奄美トレイル」などの既存のルートを歩いたわけですが、他の島にはロングトレイルと呼べるような距離のハイキング道はありません。
そこで、自分でルートを設定し、そのルートを歩いてみようと思うようになりました。
一度、「とびしま海道」でそれを試してみたことがあります。
7つの島が7つの橋でつながっている「とびしま海道」を歩いて渡ろうとしたのですが、ルート設定が悪かったせいで、最後は時間切れとなってしまいました。
この経験から、オリジナルのロングトレイルのルート設定について試行錯誤するようになりました。
オリジナルのロングトレイルのルート設定手順
オリジナルのロングトレイルのルート設定手順は下記の通りです。
- 行きたいエリアを決める
- 既存のハイキング道をさがす
- 過去に歩いた人の軌跡をさがす
- Googleマップでキャンプ場や宿泊地を確認する
- ルート全体の雰囲気をつかむ
- 登山計画アプリでルート設定する
1つずつ順番に解説していきます。
1. 行きたいエリアを決める
まずはざっくりと行きたいエリアを決めます。
私の場合は、島に行くことが多いので、どの島を歩くのかをまずは決めます。
2. 既存のハイキング道をさがす
行きたいエリアが決まったら、次にそのエリアにある既存のハイキング道をさがします。
特に参考になるのは、長距離自然歩道です。
「四季を通じて手軽に、楽しく、安全に自らの足で歩くことを通じて、豊かな自然や歴史・文化とふれあい、心身ともにリフレッシュし、自然保護に対する理解を深めることを目的とした歩道です。
(中略)
整備が完了すれば、全国の自然歩道の総延長は約27,000kmとなります。」
NATS 自然大好きクラブ |長距離自然歩道を歩こう!
そのほかで参考になるのは、以下のものです
他にも、各自治体のホームページに掲載されていることがあるので、チェックしてみましょう。
なお、島でのハイキングの資料については、下の記事にまとめています。
3. 過去に歩いた人の軌跡をさがす
エリアを決め、既存のハイキング道が見つかったら、実際に歩いた人の軌跡をさがしてみます。
これは、以下のWebサイトで確認するのが確実です。
いずれも日本最大級の登山コミュニティサイトで、実際に歩いた人たちの記録が数多く掲載されています。
・ヤマレコ
4. Googleマップでキャンプ場や宿泊地を確認する
ロングトレイルではトレイル上でキャンプをするか、もしくは宿に宿泊するかと思います。宿泊地の場所しだいで、その日一日の行動が変わってくるので、宿泊地選びは非常に重要です。
キャンプ地や宿を探す場合、私はGoogleマップを使っています。
Googleマップを開いて、検索バーに「キャンプ場」や「宿」と入力して検索します。
ちなみに、キャンプ場にシャワーがないときは、Googleマップで近くに温泉や銭湯がないかを探します。「お風呂」と検索すれば出てきます。
5. ルート全体の雰囲気をつかむ
元となるハイキング道が決まり、宿泊地も決まったら、次はルート全体の雰囲気をつかみます。
平面の地図だとどうしても高低差などが感覚的につかめないこともあると思うので、3Dマップを使って、ルート全体の様子をみます。
使うツールは、Google Earth。
Google Earthを使えば、「思ったよりアップダウンが激しいから、この日は歩く距離を短くしよう。」とか「ここは平坦な道だから、ちょっとペースアップしてもいけそうだ。」などと事前にシュミレーションができます。
Google Earthは航空写真をもとにした3Dマップですが、国土地理院は地図が3Dになります。
国土地理院地図の3D地図を見る方法はこちら。
立体模型を見る(地理院地図編)
日本の主な山岳は、こちらに3D地図がまとめられています。
立体地図(日本の主な山岳)
6. 登山計画アプリでルート設定する
最後に登山計画アプリを使って、きちんとしたルートを設定します。
使うのは「ヤマレコ」の「山行計画」を使います。
ルート設定ができるサイトやアプリはいくつかあるのですが、その中でヤマレコを使う理由は以下の3つです。
- スマホだけでなくパソコンでも使用できるため、作業しやすい。
- スタート地点やゴール地点を任意のポイントに設定できる。
- コースタイムを自動計算してくれる。
- コースタイムが計算できないエリアでも距離を表示してくれる。
実際のルート設定方法はこちらをご覧ください。
Step3 ルート作成 | ヤマレコ使い方ガイド
オリジナルのロングトレイルを実際に作ってみた
それでは、さきほどのルート設定手順をもとに、実際にオリジナルのロングトレイルをつくってみようと思います。
今回、ロングトレイルの舞台に選んだのは、「平戸島」。
平戸島は、元々はヨーロッパの国々と盛んに交流のあった島で、現代でも潜伏キリシタンの歴史が色濃く残る場所です。
1.行きたいエリアを決める
→平戸島
2.既存のハイキング道をさがす
→長距離自然歩道(九州自然歩道)
3.過去に歩いた人の軌跡をさがす
→YAMAP(ヤマップ)、ヤマレコ、ヤマケイオンラインの山行記録を参照
4.Googleマップでキャンプ場や宿泊地を確認する
→キャンプ場はあったが、トレイル上のちょうどよい場所になかったので、平戸島内の2か所の宿に泊まることとする。
5.ルート全体の雰囲気をつかむ
→Google Earthと国土地理院3Dマップでハイキング道を確認
6.登山計画アプリでルート設定する
→ヤマレコの「山行計画」を使って、ルート設定する。
この流れで実際に作成したルートがこちらです。
平戸島の南端から北端まで歩く54kmのコースができました。
3日間かけて歩くのにちょうどよい距離になりました。
九州自然歩道は隣の生月島まで伸びているので、生月島までルートを伸ばすともう少し長いトレイルができそうです。
まとめ
今回は、オリジナルのロングトレイルをつくるために、どのようにルートを設定していけばよいかを説明しました。
私自身も初めてオリジナルのロングトレイルを設定してみましたが、本当にトレイルとして成立するのか実際に歩いて検証してみたいと思います。
なお、オリジナルのロングトレイルのルート設定手順のうち、
「5. ルート全体の雰囲気をつかむ」
「6. 登山計画アプリでルート設定する」
については、四角大輔さんの著書「バックパッキング登山入門」を参考にさせていただきました。
この本は、私がロングトレイルやウルトラライトハイキングをはじめたときに買った本です。
ギア紹介はもちろん、そのギアを選んだ過程までが分かりやすく解説されていて、とても参考になります。