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大杉谷① 渓谷の秘境には絶景の「シシ淵」が!桃の木小屋に泊まる

日本三大渓谷を知っていますか?
渓谷といえば、富山県黒部峡谷を想像する人が多いんじゃないかと思います。
黒部峡谷はもちろん日本三大渓谷のひとつ。
そして、残りの二つは「大杉谷(三重県)」と「清津峡(新潟県)」です。

 

今回、訪れたのは三重県にある大杉谷。
大杉谷の自然は美しく豊かで、「吉野熊野国立公園」や「ユネスコエコパーク」にも認定されているほどです。

 

この渓谷を知ったのは、こちらの本です。

関西の名山ベスト 大峰・大台ヶ原・鈴鹿・六甲・比良・熊野古道 (山歩き安全マップ)

関西の名山ベスト 大峰・大台ヶ原・鈴鹿・六甲・比良・熊野古道 (山歩き安全マップ)

 

 

一味違った登山コースが紹介されていて、登山をするときにはよく参考にしています。
谷沿いにクサリを頼りに進んでいくスリリングなコース。
水面がエメラルドグリーンに光る川。
森の中に現れるおとぎ話のような山小屋。


写真を見るたびに惹きこまれて、いつか登ってみたいと思っていたコースです。そこで、2018年7月の連休に行ってみることにしました。

 

  

「大杉峡谷登山バス」で登山口へ

今回は、三重県側の登山口から入り、「桃の木山の家」に泊まり、大台ケ原へ抜けていきます。

 

三重県の三瀬谷(みせだに)駅に到着です。

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小さいけど雰囲気のある駅です。

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ここから歩いて、道の駅「奥伊勢おおだい」へ向かいます。
登山口まで行ける公共交通機関がないので、エス・パール交通株式会社の「大杉峡谷登山バス」を利用することにしました。
このバスが登山口まで連れて行ってくれます。

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こんな細い橋もがんがん渡っていきます。

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右側は崖で車がすれすれのところを通っていくような場所が続きます。
これはマイカーで行くのはきびしいかも。
宮川第三発電所に着いたら、そこが登山口となります。

 

大杉谷登山の概要

<登った山>大杉谷
<とき>2018年07月14日~15日
<天気>晴れ
<ルート>大杉谷踏破コース
<行程>
07月14日(土)
 12:10 登山口
 15:20 シシ淵
 16:40 桃の木山の家

 

07月15日(日)
 06:10 桃の木山の家
 07:20 崩壊地
 08:30 堂倉滝
 10:10 粟谷小屋
 12:20 シャクナゲ
 12:40 日出ヶ岳
 13:40 大台ケ原ビジターセンター

 

コース詳細はこちら。
大杉谷登山ルートガイド|大杉谷登山センター 三重県多気郡大台町

 

 

大杉谷登山の概要

07月14日(土)
12:10 登山口
宮川第三発電所の横から入っていきます。

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緑がきれいです。

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森に入ると、すぐに看板が。

 

「警告
大杉谷登山歩道を利用されるかたへ。
大杉谷登山歩道は遊歩道ではありません。
この登山歩道には危険な箇所が多くあり、転落等により毎年多数の『死亡事故』が発生しています。
事故を防ぐために、余裕のある行程をとり、十分な装備と慎重な行動のもとに登山をしてください。
登山の経験、体力、知識等に自信のない方や未装備の方は入山を自粛してください。」
三重県

 

心して進みましょう。
と思っていたら、すぐにこれです。

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歩くスペースは狭く、左側はすぐに崖となっています。
しっかりとクサリを握って進みます。

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顔をあげると、この光景。
川の色が深い緑できれいです。

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大杉谷は日本でも有数の多雨地帯で、豊かな水がこの深い渓谷の姿を生み出したといわれています。

 

大杉谷登山歩道は川沿いにコースがつくられています。
必ずしも歩きやすい道ではなく、道幅は狭く細かいアップダウンが続きます。

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森からのぞく川がなんともきれいな色をしています。

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広い河原にでました。
日陰をさがして昼ごはんとします。
少し休憩して進みます。

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「地獄谷吊橋」。

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大杉谷登山歩道には、このような吊橋がいくつもかかっています。
どれもしっかりした造りですが、歩くと揺れます。
少しスリリングで高度感を味わえます。

 

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川沿いにつくられた道を登っていきます。

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相変わらず道は細いです。

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森の中を歩くので、割と日陰は多いのですが、この日はものすごく暑くて湿度も高かったです。

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夏に歩くときは、水分をたくさん持っていったほうがいいです。
桃ノ木山の家まであと3km。

 

東屋に着きました。
屋根があって広い休憩スペースになっているので、みなさんここでゆっくり休んでいました。

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ここからは千尋滝を眺めることができます。

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三重県大台町から和歌山県大台ケ原に抜ける途中には、全部で7つの滝が確認できます。
また11本の吊橋を超えていかなければいけません。

 

突然現れた沢。
冷たい水に手をつけて、熱くなった体を冷まします。

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難所は続きます。

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道をふさぐ杉。
右側の岩にしがみつくようにして生えています。
どうしてこんな形になったのでしょう。

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渓谷っぽい場所に出てきました。
シシ淵(ししぶち)まではあと少しです。

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岩のトンネルを抜けていきます。

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水が上から滴ってきます。

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15:20 シシ淵
シシ淵に着きました。

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ここが、大杉谷の代名詞とも言われるシシ淵です。

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あまりにもきれいで、時間を忘れて眺めていました。
奥に滝が流れているのが分かります。

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少し休んで先へ進みます。

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険しい道はまだまだ続きます。

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一歩足を滑らすと谷底です。

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シシ淵の奥に見えていた「ニコニコ滝」だと思います。

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「びょうどうぐらつりばし」。

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11本の吊橋の中でも、この吊橋から見える景色が一番迫力があってきれいだと思います。

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吊橋を通れば、桃の木山の家はもう少し。

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16:40 桃の木山の家
桃の木山の家が見えてきました。

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吊橋を渡った先に山小屋がある、この風景が好きです。

 

桃の木山の家の定員は330人で、実は関西最大級の大きさを誇る山小屋です。
山小屋が完成したのは昭和15年ですので、もう80年も前の話です。
桃の木小屋 - 大杉渓谷 桃の木小屋

 

当時は定員50人ほどの規模だったそうです。
それから80年、台風などの災害もありながら営業を守り続けているそうです。

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食事はこんな感じ。

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山の中であったかいごはんが食べられるのはありがたいですよね。
森の音が聞こえる食堂です。

 

部屋はこんな感じです。

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私は大部屋を予約しました。
だいたい一人一畳のスペースで、布団を敷いて寝ます。
この日は、そんなに混雑していなくて、布団ひとつ置きに寝る感じでした。

 

そして、桃の木山の家の特徴はなんといっても、ヒノキのお風呂。
山の中なので、お風呂に入れないことも覚悟していたのですが、ヒノキのお風呂に浸かり、汗を流すことができました。
さっぱりして、部屋に戻ります。

 

窓からの風景。
幻想的な感じがします。

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翌日は、堂倉滝を通り、日出ヶ岳を抜け、いよいよ大台ケ原へ。
2日目の様子はこちら。

www.gojikitakubu.com