ウルトラライトハイキングを実践するために、今回は、テントの「インナーマット」を見直しました。
- テントのインナーマットとは?
- インナーマットはそもそも必要か?
- 今使っているインナーマットはどのくらいの重さ?
- インナーマットに求める条件
- エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケット
- エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケットのスペック
- エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケットのいまいちな点
- テントのインナーマットの候補
- まとめ
テントのインナーマットとは?
まず、テントのインナーマットとは何かということから説明していきたいと思います。テントを張るときには、通常は図のようにシートやマットを敷いていきます。
まずは地面の上に「グランドシート」を敷き、その上にテントを立てます。
テントの中は「インナーマット」を敷き、その上に「マット」を置き、寝袋に入るという形が一般的だと思います。
それぞれの役割は、以下の通りです。
グランドシート
グランドシートの役割は、主に「防水」や「地面からの冷気の断熱」と「テントのボトム生地の保護」と考えられます
寒い時期のキャンプでは、地面からの冷気が大敵です。
いかにして地面からの冷気を遮断して、体温を保つかがポイントとなります。
テントと地面の間にグランドシートを挟むことで、ある程度、冷気を遮断することができます。
もう一つは、「テントのボトム生地の保護」です。
テントによっては、ボトム生地が弱いものがあり、人が寝転んだり、荷物がテントの底をすったりすると、穴が開いてしまうものもあります。
グランドシートを敷くことで、ボトム生地を保護することができます。
インナーマット
インナーマットも、基本的な役割はグランドシートと同じと考えていいと思います。
インナーマットは基本的に断熱作用をもつものを選ぶ人がほとんどで、グランドシートよりも「地面からの冷気の遮断」効果が重視されます。
あとは、結露によって発生した水分が直接身体や荷物に付かないという役割もあります。
マット
マットの役割は、「地面からの冷気の断熱」と「背面のクッション」です。
寝転んだときに背中側の冷気を遮断し、クッション性を持たせることで、より快適な睡眠を得ることができます。
「敷布団」をイメージすると分かりやすいと思います。
インナーマットはそもそも必要か?
下から、「グランドシート」、「テントのボトム」、「インナーマット」、「マット」、「寝袋」と敷いているわけですが、そもそもこんなに必要かと思うことがよくあります。
どれか省略できれば、かなりの軽量化を図ることができます。
実際、グランドシートやインナーマットのどちらかを省略する人は案外多いです。
私が今使っているニーモのホーネットストーム 2Pには専用のグランドシートが販売されていて、グランドシートの使用が推奨されています。
「テントのボトム生地の保護」を考慮すると、グランドシートの省略は少し難しいかなと思います。
では、インナーマットはどうか。
これも結論から言うと、省略するのは難しいかなと感じています。
理由は、「地面からの冷気の遮断」ができなくなるからです。
グランドシートやテントのボトム生地自体は、それほど冷気を遮断する作用は持っていません。
インナーマットとマットの2つで冷気を遮断するのが一般的ですが、私の使用しているマットは120cmと短いため、マットだけだとどうしても足元が冷えてしまうのです。
ですから、インナーマットは必要と判断しました。
しかし、まだまだ軽量化はできるはず。
どのようなインナーマットがウルトラライトハイキングに適しているのか検討していきます。
今使っているインナーマットはどのくらいの重さ?
今使っているインナーマットは、Grabber(グラバー)社の「オールウェザーブランケット」です。
「NASAが開発した多目的シート。医療機器としてFDAに正式登録されているほか、アメリカの軍隊やボーイスカウトでも使用されています。
軽量・コンパクト、防水・防風、保温性に大変すぐれ、身体を包み込むと体内から放射される体温の80%をブランケット内へ反射・保持します。
材質:プラスティックフィルム・アルミニウム・ポリエチレン繊維・プラスティックフィルムの4構造」
Grabber グラバー オールウェザーブランケット OD (オリーブドラブ) オリーブ 22144 :0975-000126:LOUPLE - 通販 - Yahoo!ショッピング
この「オールウェザーブランケット」をテントのインナーマットとして使っている人は結構多いのではないでしょうか。
登山用品店でもよく見かけます。
材質にアルミニウムが使用されていて、保温性の高いマットです。
NASAが開発したという文句に惹かれて買ってしまったのですが、かれこれ7年も使用しており、かなり丈夫です。
オールウェザーブランケットのおかげで、地面からの冷えに悩まされることはこれまでありませんでした。
とてもよい商品なのですが、少々かさばることと重いことが気になっていました。
実際の重さは「346g」で、畳むとこのくらいのサイズになります。
(輪ゴムの重さは引いています)


インナーマットに求める条件
それでは、ウルトラライトハイキングにあうインナーマットはどんなものでしょうか。
インナーマットに求める条件を挙げてみました。
△地面からの冷気を遮断できる
△軽い
△かさばらない
地面からの冷気を遮断できる
インナーマットを敷く主な理由が「地面からの冷気を遮断すること」なので、この条件ははずせません。
アルミは冷気を遮断し、保温性も高いので、アルミが使用されているものを選びます。
軽い
今使っている「オールウェザーブランケット」の重さが346gなので、「200g以下」を1つの基準としましょう。
かさばらない
「オールウェザーブランケット」は結構かさばるので、それよりもコンパクトに収納できるものがいいです。
「オールウェザーブランケット」の半分のサイズになればいいかなと思います。
エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケット
上の条件で選んだのは、エスオーエル(SOL)の「エマージェンシーブランケット」です。
エスオーエル(SOL)とは?
「非常用ブランケット・シェルター・着火剤などアウトドア時や災害時に役立つサバイバルギアのブランドです。」
エスオーエル(SOL) |メーカー|スター商事ショッピングサイト
エマージェンシーブランケットとは?
エマージェンシーブランケットはその名の通り非常用ブランケット(1人用)です。
アウトドアでビバークするときなどに、身体をつつみ保温するためのものです。
ポリエチレン素材に高純度のアルミ蒸着加工を施し、アルミ面は体が放射する体熱の90%を反射するということなので、冷気の遮断性や保温性は十分だと思います。
本来の使い方とは異なりますが、テントのインナーマットとして代用することができそうです。
エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケットのスペック
基本スペック
- サイズ/142×213㎝
- 重量/83g(実測値)
その他の特徴
・体が放射する熱の90%を保持
ポリエチレン素材に高純度のアルミ蒸着加工が施されていて、アルミ面は体が放射する体熱の90%を反射するとのことです。
だから、保温性を高めたいときは、アルミ面を上に向けて敷くのが正しいです。
逆に、暑い時期は、アルミ面を下向きに敷きます。
・ガサガサ感が無く繰り返しの使用が可能
オレンジ色の面がポリエチレンという素材のため、しなやかでガサガサ感はありません。
また繰り返しの使用が可能です。
・ポリエステル生地の他社製品に比べ30 ~ 50%薄いにも関わらず強度は他社製品を上まわる
・コンパクトに収納できる
オールウェザーブランケットに比べると、かなりコンパクトにたためます。
空気を抜いてたためば、500mLペットボトルの半分ほどの体積になります。


エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケットのいまいちな点
めくりあがりやすい
その薄さのせいか、めくりあがりやすく、テント内で少し広げにくいです。
四隅にものを置きながら広げていくのがよいかもしれません。
肌に張り付く
それほど気にはならないのですが、汗をかいていると、少し肌にはりつく感じがあります。
オールウェザーブランケットの方が肌触りはいいです。
テントのインナーマットの候補
他のインナーマットの候補になったのは、
「エスオーエル(SOL)/ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」
- 収納サイズ/:17×20×3.5cm
- 重量/:210g
- ポリエチレンの生地に高純度のアルミを蒸着加工したシート
- 体熱の 90%を反射保持し防寒に有効
- エマージェンシーブランケットの 2.5 倍の厚みがある
同じくエスオーエル(SOL)の製品で、エマージェンシーブランケットの厚みを2.5倍にし、強度を強めたタイプです。
強度が強い分、重さも増しますがそれでも十分な軽さです。
この「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」も候補として考えていましたが、今回はより軽量な「エマージェンシーブランケット」を選びました。
まとめ
エスオーエル(SOL)/エマージェンシーブランケットの購入で、どれくらい軽量化ができたでしょうか。
今まで使っていたオールウェザーブランケットの重さが「346g」。
エマージェンシーブランケットの重さが「83g」。


「346g」-「83g」=「263g」
ということで、「263g」の軽量化に成功しました。
アイテム1つで250g以上軽量化できたので、上出来だと思います。
エマージェンシーブランケットは使い方に少し工夫がいるものの、値段は880円と安いので、お金をかけずに軽量化したい人にはおすすめのアイテムです。