「島×ロングトレイル」というテーマを掲げて、全国各地の島をめぐっています。
今回、「島×ロングトレイル」で選んだ場所は、「徳之島」です。
- 徳之島とは
- 徳之島を選んだ理由
- 今回歩いた「世界自然遺産 奄美トレイル」のルートは?
- 「世界自然遺産 奄美トレイル」in 徳之島(1日目)の概要
- 「世界自然遺産 奄美トレイル」in 徳之島(1日目)の詳細
徳之島とは
「徳之島は、南西諸島の奄美群島に属する離島の1つであり、島内には鹿児島県大島郡徳之島町、伊仙町、天城町の3町から成ります。面積は約247.77 km2、周囲およそ80km。日本では14番目の面積を持ち、人口約24,000人の島です。主要な産業はサトウキビ、ジャガイモ、ショウガ、果樹などの農業、キハダマグロ、ソデイカ、カツオ、イセエビ類などの近海漁業、黒糖を原料とした菓子、黒糖焼酎製造などが主であり、今後は世界自然遺産登録が追い風となり観光業の伸びが期待される。本土主要空港からの直行便がなく、観光開発はされていない豊かな自然と素朴な南の島の文化が味わえる数少ない希少な島です。気候は沖縄諸島などと同じく亜熱帯性気候に属する。本土に比べれば1年を通して暖かい。」
徳之島について | 一般社団法人徳之島観光連盟
ギネスブックに長寿世界一と記録された男性と女性がいたのもこの徳之島。
また、出生率の全国1位〜3位を徳之島の町が占めるほど子宝にめぐまれた島でもあります。
あとは闘牛なんかも有名です。
徳之島を選んだ理由
奄美群島では、今「世界自然遺産 奄美トレイル」という構想があります。
平成28年度からコース選定が行われていて、平成33年度の全線開通を目指しています。
2018年の年末に奄美大島を訪れた際に、「世界自然遺産 奄美トレイル」というロングトレイルの存在を知ったのですが、奄美大島をはじめ、喜界島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島、与論島にもコースが設定されていて、つなげて歩いたら面白い旅ができそうだなと感じたのです。
ちなみにトレイルの名前に「世界自然遺産」と入っているのは、奄美大島と徳之島が、アマミノクロウサギに代表される希少種を含む多様な生物が生息・生育していることが評価され、沖縄島北部、西表島とともに、2020年夏の世界自然遺産登録を目指しているからだそうです。
今回、奄美群島の中で徳之島を選んだのは、以下の理由です。
- 1~2回の旅で、全島を歩くことができる大きさである。
- マップが手に入りやすい。
- キャンプ場が充実しており、テント泊が可能。
- 比較的アクセスもよい。
今回歩いた「世界自然遺産 奄美トレイル」のルートは?
徳之島の「奄美トレイル」は、「徳之島町エリア」、「伊仙町エリア」、「天城町エリア」の3つのエリアに分かれています。
いずれのエリアも30kmほどの距離があります。
ちなみに「天城町エリア」は私が徳之島を後にした2日後に開通しました。
2泊3日の行程ですべてのエリアを歩くのは無理があるので、今回は、「徳之島町エリア」と「伊仙町エリア」の一部を歩くことにしました。
徳之島の東側を半周歩くイメージです。
次回、訪れた際は、西側の半周を歩きたいと思います。
<とき>2020年02月07日(金)~02月09日(日)
<距離>56.6km
<スタート地点>手々浜海浜公園
<ゴール地点>東伊仙バス停
「世界自然遺産 奄美トレイル」in 徳之島(1日目)の概要
今回の記事では、「奄美トレイル」in徳之島の1日目の様子をお伝えします。
<とき>2020年02月07日(金)
<天気>雨
<距離>13.7km
<行程>
11:25 手々浜海浜公園
12:10 豊穀神社
13:30 ぶるぅーめぇーる
15:30 島料理 畦
16:20 畦プリンスビーチ
「世界自然遺産 奄美トレイル」in 徳之島(1日目)の詳細
徳之島子宝空港
鹿児島空港でプロペラ機に乗り換えて、徳之島空港へ。
離島にいくときにプロペラ機に乗るのは、「離島あるある」です。
少し揺れますが慣れれば平気です。
徳之島空港へ着きました。
正式名称は「徳之島子宝空港」。さすが子宝に恵まれた島です。
それにしても天気わりぃ。
この日は夕方までずっと雨という予報。
雨が多いのも外洋の「離島あるある」ですね。
徳之島空港に着いたら、まずは観光案内所へ。
手々浜海浜公園に行きたいのですがと聞くと、バスは出ていないとのこと。
かわりにタクシーを呼んでいただけることに。
手々浜海浜公園
11:25 手々浜海浜公園
タクシーで手々浜海浜公園へ到着。
ここを今回のトレイルのスタート地点とします。
雨が次第に強くなってきたので、レインウエアを着こみます。
奄美トレイルのコース案内図がありました。
結構詳細なコース案内図で、しっかりと整備されている印象です。
それでは出発。
豊穀神社
12:10 豊穀神社
まず最初に着いたのは、豊穀神社(ほうこくじんじゃ)。
神社へと続く道は、雰囲気があります。
この手々集落は、昔は不思議な現象が日常茶飯事に起こっていたため、「カミドコロ」と呼ばれ、数多くの伝説や妖怪話が残っているそうです。
また、この豊穀神社の建つ森には、神様が羽の生えた馬に乗ってやってきたというペガサス伝説が残る不思議な場所です。
海岸の見える道を進んでいきます。
歩くのは車道。
歩道は狭いので車に注意しながら歩いていきます。
ハイキング中は周りに誰もいないことを確認して、よく歌を歌います。
最近よく歌っているのが藤井風さんの「何なんw」。
藤井風(Fujii Kaze) - “何なんw ”(Nan-Nan) Official Video
大声で歌っていると、急にハイキング道に人が現れてお互い気まずい思いをすることがあるので、要注意です。
完全に海岸線にでました。
振り返ると、山が濃い霧に覆われています。
徳之島には意外と高い山があり、その周辺には奥深い森が広がっています。
一番高い山は井之川岳で、標高は645mあります。
しばらく砂浜を歩きます。
少し歩きにくいですが、海岸線を歩くのは気持ちがいいです。
ぶるぅーめぇーる
13:30 ぶるぅーめぇーる
雨でびしょ濡れになりながら、どこかお昼ごはんを食べられるところがないかと探していると見つけたのが「ぶるぅーめぇーる」。
唐揚げやラーメン、カツカレーなどを出してくれるお店で、しかも海が一望できるハイカーにとっては最高のお店です。
カメラも濡れていて写真をとるのを忘れてしまったのですが、カツカレーとってもおいしかったです。
この方のブログで詳しく紹介されています。
マップが濡れてもう破れかけていたので、とりあえずマップを写真に収めて出発しました。
しばらく歩いてたどり着いたのは、「山集落(さんしゅうらく)」。
ここを抜けると売店らしいものがないので、商店に立寄って食料を調達することにしました。
「大きな荷物でどこからいらしたの?」という会話から始まり、お店の方と色々な話が始まりました。
最後にはサービスでみかんを持たせてくれて、「気を付けてね」と送ってくれました。
田舎の道を歩いていると、ときどきこういう優しさにふれることがあって、ほっこりした気分になることがあります。
これもハイキングの楽しみのひとつかも。
ちなみに、アメリカのロングトレイルで地元の方からいただく水や食料のことを「トレイルマジック」と呼びます(与える人のことは「トレイルエンジェル」)。
ハイカーたちは、この「トレイルマジック」を受けながら、心と体のエネルギーを回復して、歩を前に進めることができます。
私もみかんを手にして、もうちょっと頑張ろうと歩き始めます。
島料理 畦
15:30 島料理 畦
今日のゴール地点「畦プリンスビーチ」までもう少しというところで、見えてきたのが「島料理 畦」。
商店で買ったのは行動食だけで、夕ご飯は買っていませんでした。
「ぶるぅーめぇーる」でご飯を食べて2時間しか経ってないけど、他にお店なさそうだし…とりあえず入るか!と入店します。
奄美地方の島料理・鶏飯(けいはん)があったので、それを頼むことにします。
「鶏飯は、鶏肉の炊き込みご飯で、もともと約400年前に地元の人が役人をもてなすときに作られる高級料理でした。
それが、昭和に入り、ふるさと料理として復活しました。」
奄美大島① 奄美パークで文化を学ぶ|「鶏飯みなとや」のご飯は最高 - 5時帰宅部
ごはんにスープをかけて食べるのですが、このスープの鳥ガラがおいしいのです。
ここでも写真を撮り忘れてしまいました。
雨に打たれてよっぽど疲れたのかな。
お店の方に「歩いてきたんですか」と聞かれたので、
「はい。奄美トレイルが開通したので、それを歩いてるんです。」
「…あまみとれいる?」
島の方に何回か同じ質問をされたのですが、みなさん「奄美トレイル」をご存じなかったのです。すごく魅力的でおもしろいトレイルなのに、地元の方が知らないのはもったいないなあと思います。
まだできたばかりで、知名度はまだ低いのかもしれませんね。
お腹いっぱいで「島料理 畦」を出ると、ちょうど雨がやんでいました。
畦プリンスビーチ
16:20 畦プリンスビーチ
畦プリンスビーチキャンプ場に着きました。
人っ子一人いません。でも、きれいな芝生が広がっています。
水道やかまどがあって、キャンプをするのに困ることはなさそう。
役場で予約をしたときに、
「ビーチの方へ行けばシャワーもあるのでそちらを利用しても大丈夫」ということだったので、そちらも見てみます。
ビーチが見えてきました。
天気はよくないですが、それでも海の色はきれいに透き通っているのが分かります。
ビーチはよく見るとサンゴで覆われています。
ビーチ近くの広場。
きれいな芝生、最高です。
きれいなビーチ、最高です。
そしてシャワー、最高です。
と言いたいところですが、お湯が出ないのでめっちゃ寒い。
これでお湯が出るシャワーだったらどんなに良かったかと思います。
今夜はこの大きな木の下にテントを張って寝ることにします。
雨は降ったり止んだりを繰り返していて、ぽつぽつぽつと雨粒がテントに当たる音を聞きながらうつらうつら眠りにつきました。
2日目はこちら。