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徳之島×ロングトレイル③ なくさみ館に闘牛が!森の中にひっそり祀られた神社をみつけた

今回、「島×ロングトレイル」に選んだ場所は、「徳之島」。
1日目、2日目の様子はこちらから。

www.gojikitakubu.com

 

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今回歩いた「世界自然遺産 奄美トレイル」のルートは?

徳之島の「奄美トレイル」は、「徳之島町エリア」、「伊仙町エリア」、「天城町エリア」の3つのエリアに分かれています。
今回は、3日間で「徳之島町エリア」と「伊仙町エリア」の一部を歩き、徳之島の東側を半周しました。

 

<とき>2020年02月07日(金)~02月09日(日)
<距離>56.6km
<スタート地点>手々浜海浜公園
<ゴール地点>東伊仙バス停

 

歩いた軌跡がこちら。

 

世界自然遺産 奄美トレイル」in 徳之島(3日目)の概要

今回の記事では、「奄美トレイル」in徳之島の3日目の様子をお伝えします。

 

<とき>2020年02月09日(日)
<天気>くもり
<距離>9.3km
<行程>
 10:00 喜念浜(喜念バンガロー)
 10:50 なくさみ館
 12:20 坂元権現
 12:40 古里集落
 13:10 東伊仙バス停

 

世界自然遺産 奄美トレイル」in 徳之島(3日目)の詳細

3日目の最終日に歩いたのは9.3km。
時間にも余裕があったので、ゆったりハイキングを楽しみました。

 

喜念浜(喜念バンガロー)

10:00 喜念浜(喜念バンガロー)

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喜念バンガローは最高の宿泊施設でした。
朝10時までゆっくりして、いざ出発。

 

喜念浜を見ておきましょう。

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目の前には海しか広がっていなくて、聞こえるのは波の音です。
広いベンチに座ってずっとぼーっとしたい場所です。

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徳之島にはきれいなビーチが本当にたくさんあります。
2月はシーズンオフで人が少ないせいか、ビーチを独り占めできることが多かったです。

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道端で見つけたバナナ?

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本州ではなかなか見ることができません。
南国ならではという感じがします。

 

徳之島なくさみ館

10:50 徳之島なくさみ館

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「なくさみ館は伊仙町目手久にある闘牛場です。
以前は島のあちこちに小規模な会場が点在していましたが、全島一大会などで大勢の観客を収容できるよう、なくさみ館が建立されました。屋根付きになっているので、雨天時でも試合が行えるようになりました。
お正月や成人式、卒業祝いや収穫祝いなど、おめでたいことがあると闘牛大会が開かれます。
島人だけでなく、鹿児島や沖縄、宇和島や東京など、全国各地から闘牛ファンが押し寄せます。
(中略)
闘牛の歴史はおよそ300年前の島唄にも残されており、古くから島の人々に愛されてきました。
現代では牛の体重によって、相撲の番付けと同じように横綱大関などと格付けをして試合を行っています。」
徳之島なくさみ館(イベント会場) | 一般社団法人徳之島観光連盟

 

まずは資料館へ。
学んだことを簡単にまとめてみます。

 

  • 農耕などで使っていた牛が、元々もつ縄張り意識によって戦う様子をみたことから闘牛が始まった?
  • 農耕とともに牛が持ち込まれた可能性が推察される。
  • 現在は、初場所(正月)・春場所(五月)・秋場所(十月)の年三場所で六回の「全島大会」が開催され、徳之島町、伊仙町、天城町の各町の闘牛教会が持ちまわりで主催する。
  • 昔の牛は大きくても600~700kg前後と言われるが、現在では食用用に改良した牛が闘牛として用いられており、その体重は1トンを超えるものが増えてきている。

 

ちょうど牛がなぐさみ館から出てきました。

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筋肉ごりごりです。

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闘牛場の中には、さらにごりごりの牛が訓練をしていました。
「ブゥオー」と唸りながら砂を蹴り上げて、しきりに地面を舐めています。
どういう訓練?

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このときは闘牛をみることはできませんでしたが、牛たちが闘う様子さぞ迫力があるでしょう。
牛たちは闘牛に備えて、日々砂浜などを歩いてトレーニングを積んでいるそうです。

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洞窟が見えます。

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小さな集落の昔ながらの小道を進んでいきます。

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この小さな集落からは、海が見渡せます。

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ガジュマルでしょうか。
迫力のある木が道沿いに生えていました。

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道路を挟んで反対側をみると、なにやら鳥居が。
ちょっと気になるので立ち寄ってみましょう。

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坂元権現

12:20 坂元権現
鳥居をくぐると、奥にもうひとつ鳥居が。
なんだか雰囲気のある場所です。

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鳥居をくぐると、根が複雑に絡み合ったガジュマルの巨木が迎えてくれました。
ガジュマルの奥にあるのが祠のようです。

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見ると、鍾乳石でできた洞窟のようなところに小さな祠が建てられています。
「坂元権現社」と書かれています。
お賽銭を入れてお参りします。

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ガジュマルに守られてひっそりと祀られた神社は、すごく神聖な雰囲気のある場所でした。

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古里集落

12:40 古里集落

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徳之島では、山から海へと神様が通るとされる小道「カミミチ」というものがあります。
古里集落には、その「カミミチ」を見ることができるとのこと。
具体的にどの道がそれなのかは分からなかったですが、海に続く気持ちのよい道が交差していました。

 

東伊仙バス停

13:10 東伊仙バス停

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古里集落を抜けて30分歩いて、とうとう今回の旅の終着点「東伊仙バス停」に。
ゴール!

 

近くの「食菜館きゅっきゅっ」というお店へ。
味噌汁が身体にしみわたります。

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伊仙町歴史民俗資料館へ

飛行機の搭乗まで、まだ時間があったので、近くに「伊仙町歴史民俗資料館」へ寄ってみることに。
もともとは農業高校の校舎だったのですが、それをそのまま利用して歴史民俗資料館にしているそうです。

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訪れたときは、客が私だけで職員の方がガイドしてくださいました。
まずは、1階の自然コーナー。
徳之島の動植物について展示されています。
リュウキュウイノシシやアマミノクロウサギの標本や、ハブの骨格標本が並びます。

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こちらは「アカショウビン」。
カワセミの仲間で、夏に渡ってくる渡り鳥です。

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1階奥には、昔使用されていた農具などを展示したコーナーがありました。
様々な形や材質のかんざし。
身分によって使用するかんざしの長さや材質が違っていたそうです。

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こちらは「ウキダル」と呼ばれるもの。

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このウキダルをお腹に抱きかかええて、浮き輪代わりとし、水面から釣り糸を垂らしていたとのこと。
なぜ船を使わない?

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これは「サワラつき」。
疑似餌を泳がせてサワラをおびき寄せて、モリでついて仕留めるというもの。

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これはサトウキビを絞るための道具。
牛を歩かせて、歯車を回し、サトウキビを絞るという構造です。
昭和中期ごろまで使用されていたけど、それ以降は機械化されたそうです。

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戦前の小学校の様子。

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藁ぶきで壁もなく、台風で簡単に飛ばされてしまいそうな小屋で子どもたちが勉強しています。
これを見ると、戦後日本がどれだけの勢いで発展したのかが分かります。

 

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「これは何だと思いますか。」
「神輿か何かですか。」
「みなさん、そのように答えられるのですが、実は違います。
 これは死者を運ぶカゴです。
 この地方の棺桶のようなものです。」

 

徳之島では、この中に死者を座らせ、埋葬地まで運んでいました。
そして、埋葬して数年たったら掘り返し、骨を瓶につめて再度埋葬していたそうです。
この独特な風習も昭和まで続いていたというから驚きです。

 

まとめ

今回、「島×ロングトレイル」の舞台に選んだ場所は、徳之島でした。
奄美地方では、「世界自然遺産 奄美トレイル」という壮大なロングトレイルが計画されている最中で、平成33年度の全線開通を目指しています。

 

 

徳之島の「奄美トレイル」は、「徳之島町エリア」、「伊仙町エリア」、「天城町エリア」の3つのエリアに分かれています。
「天城町エリア」は私が徳之島を後にした2日後に開通し、それで徳之島全島のコースが完成となったようです。
新しいロングトレイルが出来上がっていく過程で、タイムリーにそこを歩けたのは新鮮な気持ちでした。

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今回、島の東側半周を歩いてみて、私なりに感じた「良かった点」と「ちょっと気になる点」を挙げてみたいと思います。

 

良かった点

  • 景色がきれい(特にビーチと海の色)
  • ロングトレイルに利用できそうなキャンプ場がある
  • 道や標識が整備されていて歩きやすい

 

ちょっと気になる点

  • 歩道が狭く、大型トラックが近くを走るので少し危ない
  • コース上に車道や舗装路が多くて自然道が少ない(もしかしたらハブにあわないように?)

 

残りの島の西側半周はぜひ歩いてみたいと思います。
また、奄美トレイルは徳之島だけでなく、奄美大島や喜界島、沖永良部島与論島にもコースが設けられているので、これらの島にもいずれ訪れてみたいと思います。

 

今年、奄美大島や徳之島が世界自然遺産へ登録されたら、この奄美トレイルももっと盛り上がることでしょう。
奄美トレイルが地元住民の方はもちろん、島外の多くの方に知られて、みんなに愛されるトレイルになればと思います。