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軽量で広いテントはどれ?[後編]重さ1200g以下から選んだ最適テント!

ウルトラライト(UL)ハイキングを実践するために、装備を1つずつ見直しています。今回のアイテムは「テント」。
前編では、ウルトラライトハイキングに最適なテントの条件を書き出してみました。

www.gojikitakubu.com

 

後編では、候補となったテントと最終的に選んだテントを紹介していきたいと思います。

 

 

ウルトラライト(UL)ハイキングのテントに求める条件

ウルトラライトハイキングのテントに求める条件は、以下の6つです。
それぞれの条件の詳細は、前編をご覧になってください。

 

 △軽い(1200g以下)
 △広い(2人用、ステラリッジテント2型と同等の広さ)
 △耐風性が高い(自立式、非自立式のどちらでも可)
 △保温性が高い(インナーテントがメッシュ生地ではなくフルパネル)
 △結露しにくい(ダブルフォール
 △全室あり

 

ウルトラライト(UL)ハイキングのテントの候補

ウルトラライトハイキングのテントの候補となったものは、以下の12個です。

 

 

「テラノヴァ」、「ビッグアグネス」、「ノルディスク」、「ニーモ」の4つのメーカーからの選出となりました。
居住性も軽量化も一切妥協しない画期的なメーカーが出そろった感じがします。
それでは、それぞれのテントの特徴を簡単に紹介していきます。

 

テラノヴァ/ソーラーフォトン2

www.mountain-products.com

  • 重さ:814g/849g(min/max)
  • 寝室の広さ:幅130cm/84cm、長さ225cm、室内高100cm
  • 半自立式
  • その他特徴:完全なフルパネルではなく、一部メッシュ生地。

 

テラノヴァ/ボイジャーウルトラ2

www.camp-star.com

  • 重さ:950g/990g(min/max)
  • 寝室の広さ:幅116cm/88cm、長さ206cm、室内高100cm
  • 自立式
  • その他特徴:完全なフルパネルではなく、一部メッシュ生地。

 

テラノヴァ/レーサーコンペティション2

  • 重さ:1080g/1230kg(min/max)
  • 寝室の広さ:幅105cm/90cm、長さ230cm、室内高95cm
  • 非自立式
  • その他特徴:完全なフルパネルではなく、一部メッシュ生地。

 

テラノヴァ/レーサーコンパクト2

  • 重さ:1080g/1230g(min/max)
  • 寝室の広さ:幅105cm/90cm、長さ230cm、室内高95cm
  • 非自立式
  • その他特徴:完全なフルパネルではなく、一部メッシュ生地。レーサーコンペティションテントと使用サイズは同じだが、収納サイズがよりコンパクト。

 

ビッグアグネス/フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ

www.kenkosya.com

  • 総重量:652g
  • 寝室の広さ:幅132cm/107cm、長さ219cm、室内高102cm
  • 半自立式
  • その他特徴:フライシートとフロアには、引き裂き強度と防水性能に優れたDyneemaファブリックを採用。

 

ビッグアグネス/フライクリークHV UL2 EX

フライクリーク HV UL2 EX オリーブグリーン

  • 重量:1160g
  • 寝室の広さ:幅132cm/?cm、長さ218cm、室内高102cm
  • 半自立式
  • その他特徴:メッシュ部分を無くし1年を通じて快適に使えるように、日本の気候に合うせアップデートされたモデル。

 

ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX

タイガーウォール UL2 EX

  • 重量:1190g
  • 寝室の広さ:幅132cm/107cm、長さ218cm、室内高99cm
  • 半自立式
  • その他特徴:日本の気候に合わせてインナーテントのメッシュパネルを無くした日本仕様モデル。2ドアで前室が広い。

 

ノルディスク/テレマーク2 LW

NORDISK(ノルディスク) テント テレマーク2 LW レッド 151008

  • 総重量:約950g
  • 寝室の広さ:幅135cm/76cm、長さ220cm、室内高100cm
  • 非自立式
  • その他特徴:

 

ノルディスク/テレマーク2 ULW

NORDISK(ノルディスク) テント テレマーク 2 ULW [2人用] フォレストグリーン 151005

  • 総重量:約880g
  • 寝室の広さ:幅135cm/76cm、長さ220cm、室内高100cm
  • 非自立式
  • その他特徴:テレマーク2 LWと使用サイズは同じ。ポールがアルミのLight Weight(LW)と、カーボンのUltra Light Weight(ULW)の違いで、テレマーク2 ULWの方が70g軽い。

 

ニーモ/ホーネットストーム2P

NEMO(ニーモ・イクイップメント) ホーネットストーム 2P NM-HNTST-2P

  • 最小重量:940g
  • 寝室の広さ:幅130cm/108cm、長さ215cm、室内高98cm
  • 半自立式
  • その他特徴:インナーテントを風や冷気の侵入を防ぐブリーザブルナイロンを採用。ドア部はメッシュとの2重構造にしているため、暑い時期の換気も可能。インナーテントの上部に特殊なクリップを設置することにより、上部空間を拡大している。

 

ニーモ/タニ2P

NEMO(ニーモ・イクイップメント) タニ 2P NM-TN-2P

  • 最小重量:1180g
  • 寝室の広さ:幅130cm、長さ220cm、室内高104cm
  • 自立式
  • その他特徴:新たに追加したベンチレーションシステムによって、様々なコンディション下に合わせた換気と温度調整が可能。

 

「フロアの広さ」をもとに、候補を絞る

それでは、ここから候補をしぼっていきたいと思います。
先ほど紹介した12個の候補は、「2人用」ということで選んだのですが、テントによってフロアの広さが大きく違うことが分かります。
条件の1つとして、「ステラリッジテント2型と同等の広さ」を挙げていました
(ステラリッジ2型のフロアは、幅130cm、長さ210cm)。
そこで、最大幅が130cm、長さが210cmに満たないものを除外することとします。
また、ノルディスクの「テレマーク2 LW」と「テレマーク2 ULW」については、最大幅は130cm以上あるのですが、最小幅が76cmとかなり狭くなっているので、この2つについても除外します。

 

残った候補は、次の6つです。

  • テラノヴァ/ソーラーフォトン2
  • ビッグアグネス/フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ
  • ビッグアグネス/フライクリークHV UL2 EX
  • ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX
  • ニーモ/ホーネットストーム2P
  • ニーモ/タニ2P

 

候補のテントを実際に見に行く

候補を6つまで絞れたところで、実際に室内空間をみてみたいなと感じました。
そんな折に見つけたイベントが「Off the Grid 2019(オフザグリッド)」。
オフザグリッドは、ウルトラライト(UL)グッズなどを扱うアウトドア展示会です。
テラノヴァやビッグアグネスをはじめ、ローカスギア、山と道など、多くのULメーカが展示しているということで行ってみることにしました。
これがオフザグリッドに行ったときの写真です。

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オフザグリッドでは、6つの候補のうち、以下の2つが展示されていました。

  • ビッグアグネス/フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ(HV1だったかも?)
  • ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX

 

まずは、「ビッグアグネス/フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ」から。
特徴はなんと言っても、その軽さ。総重量はたったの652gです。
このスペックでのダブルウォールテントでは、私が知る限りで最も軽いです。
ビッグアグネスはこのテントを「クレイジーライト」というカテゴリーに分類しているのですが、この軽さはまさしくクレイジーです。

 

フライシートは「Dyneemaファブリック」という素材の生地を使用しており、中が透けて見えるほど極薄ですが、引き裂き強度は強いそうです。
入り口付近では座っていても頭をすらない程度の高さ(102cm)があるのですが、奥に行くにつれてかなり天井が低くなっています。
入ってみると、フロア面積はそれほど気になりませんでしたが、テント内の高さが気になりました。
テント内で座って生活するときは、かなり制限される印象です。

 

次に「ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX」。
日本の気候に合わせてインナーテントのメッシュパネルを無くした日本仕様モデルです。


2ドアのため、両サイドに前室があり、それぞれ十分なスペースがあります。
長辺に取り付けられたドアは大きく開閉するため、出入りもスムーズに行えます。
また、出入り口のパネルは、メッシュ生地との2重構造になっているため、暑い時期は両側をメッシュにして換気や温度調整することが可能です。

 

高さ99cmなので、かなり天井部が低いのだろうなと予想していたのですが、実際に入ってみると、かなり広々。
テントの天井部分にポールが取り付けられており、これによって天井部の空間が広く保たれているようです。

 

オフザグリッドを後にし、次に向かったのは「L-Breath(エルブレス)新宿店」。
テントコーナーに行くと数多くのテントが置いてあり、実際に何種類かが張られていました。
「ニーモ/ホーネットストーム2P」を見たくて来たのですが、探してみるとありました。
お店の方に「もし可能だったら、実際に張っているところを見たいのですが」とお願いすると、快く見せてくださいました。

 

「ニーモ/ホーネットストーム2P」は、スペックは「ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX」とよく似ています。
大きさや構造、重量どれをとってもほとんど同じです(ホーネットストーム2Pの方がわずかに狭く、わずかに軽い)。

 

ホーネットストーム2Pの特徴を言えば、インナーテントにブリーザブルナイロンという生地が採用されていて、風や冷気の侵入を防いでくれるため、タイガーウォール UL2 EXよりも多様な気候に対応できそうです。

 

実際に中に入ってみると、フロア面積は十分な広さ。
室内の高さは98cmですが、テントの上部に取り付けられた特殊なクリップにより、上部空間も広々としています。

 

他の特徴としては、立ち上がった防水加工フロアを設けることにより、フライの一部を大幅に省略化しています。
軽量化とベンチレーション効果に特化していますが、耐風性がどの程度落ちるのかが気になるところです。

 

「天頂部の広さ」をもとに、さらに候補をしぼる

実際にテントを見てみて、気が付いたことが1つあります。
それは、室内高さの数値と、天頂部の広さの感覚にズレがあるということです。

 

[室内高さ]

  • ビッグアグネス/フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ:室内高102cm
  • ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX:室内高99cm
  • ニーモ/ホーネットストーム2P:室内高98cm

 

実際にテントをみてみると、最も高さがあるはずの「フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ」が一番低く感じました。
どうして、最も高さがあるはずのテントを一番低く感じたのか。
それは「テントの形」に原因がありました。

 

この3つのテントはいずれも、室内高さは同じ100cmとします。
そして、90cm以上の高さにある空間をオレンジ色で表しています。

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こうしてみると、室内高さは同じでも、テントの形によって、天頂部の空間が大きく違うことが分かります。
Aは天頂部がかなり狭いのに対して、Cは天頂部が大きな空間ができています。
「ビッグアグネス/フライクリーク HV2カーボン withダイニーマ」は、AとBの間のような形をしており、「ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX」と「ニーモ/ホーネットストーム2P」はCに近い形をしています。

 

なるほど、どうしてこんな簡単なことに気が付かなかったのだろう。
単純に室内高さの数値だけ見て悩んでいた自分が愚かです。
実際に見てみることは重要ですね。

 

6つの候補の中から、でできるだけ天頂部の空間が広いタイプを選ぶと、下記の3つまでしぼることができました。

  • ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EX
  • ニーモ/ホーネットストーム2P
  • ニーモ/タニ2P

 

最終的に選んだのは…ニーモ「ホーネットストーム2P」

最も広く、最もスペックが高いのは「ニーモ/タニ2P」。
しかし、他の2つと比べると少し重量が重いのです。
最小重量が1180gなので、ペグがガイドラインなどを含んだ総重量はおそらく1400gほどでしょう。
今使っているステラリッジテント2型(旧型)が総重量約1600gなので、今回の趣旨である「軽量化」を考えると、少し物足りません。
残念ですが、「ニーモ/タニ2P」は除外します。

 

ニーモ/タニ2Pが消えたところで…
ビッグアグネス/タイガーウォール UL2 EXか。
ニーモ/ホーネットストーム2Pか。

 

どちらもスペックや大きさはほとんど同じですが、ホーネットストーム2Pの方がわずかに軽そう(実際は、タイガーウォール UL2 EXの総重量が1190g、ホーネットストーム2Pの総重量が約1120g)。
軽量化ということが一番の目的なので、「ホーネットストーム2P」が一番有力。
なによりデザインが好みです。
あれこれ迷っていると、目の前にはホーネットストーム2Pを張ってくれ、あれこれ教えてくれたエルブレスの店員さんが柔和な笑顔で立っています。
私が店員さんを裏切る理由がどこにあるでしょうか。
「このホーネットストーム2Pください!」

 

というわけで、最終的に選んだのは「ニーモ/ホーネットストーム2P」。

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まとめ

今回は、ウルトラライト(UL)ハイキングに最適なテント選びを紹介しました。

 

市場には、多くのテントが販売されていて、本当にすごく迷いました。
軽さはもちろんのこと、テントの中で過ごす時間がいかに快適かで、そのハイキングの質は大きく変わってくるかと思います。
ですから、テントに求める条件をはっきりさせたうえで、実際に店頭で見てみて、快適に過ごせそうか確認することが重要だと感じました。

 

今回、テントとグラウンドシートの購入によって、「439g」の軽量化に成功しました。

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ホーネットストーム2Pのレビューについては、また紹介したいと思います。